副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2005年9月19日

副作用モニター情報〈231〉 タミフルによる重篤な副作用~幻覚の発現に注意を~

 タミフル(成分名:リン酸オセルタミビル)によると思われる副作用が15件報告されました。内訳は発疹・かゆみなどの過敏症状が4例、頭痛1例、34℃ 台の低体温2例、幻覚・幻聴2例、吐き気・嘔吐・下痢・腹痛など消化器症状6例、肝機能障害(グレード3)が1例です(重複あり)。幻覚・幻聴様の症状 は、高熱等により起こる可能性もありますが、報告例では解熱後も症状が起きており、タミフルによって起こった可能性も否定できません。文献では、乳幼児での突然死の事例や、異常行動により事故死に至った事例が報告されており、今後も注意深く監視を続ける必要があります。

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(症例)12 歳男児、61㎏。38.2℃の発熱があり、タミフル150㎎/日を5日間処方され服用開始。いったん就寝したが、服用から約12時間後の夜間に起きて走っ たり、「大きい指が見える」と叫ぶなど興奮した様子だった。翌日、解熱したが「変な音が聞こえる」と訴え泣く。3日目、親が添い寝し、症状はなし。その後 は症状なく、薬剤は飲みきった。

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 インフルエンザは基本的には自然治癒する疾患です。インフルエンザ発症時(48時間以内が適応)に症状軽減を必要とするのは、高齢者や呼吸器・心疾患な どの重篤な疾病をもっているケースに限られます。しかし、昨シーズンは、予防投与が認められた影響もあってか、世界の全生産量の70%が日本で消費されま した。インフルエンザの正しい予防・対処法を普及したり、使用対象を再度見直す必要があります。

(民医連新聞 第1364号 2005年9月19日)

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