副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2006年4月3日

副作用モニター情報〈242〉 テオフィリン製剤の誤服用によるテオフィリン中毒

 (症例)10代女児で体重46kg。気管支ぜん息で外来受診し、テオドール錠の処方を受ける。処方内容は、テオドール100mg錠と50mg錠を1回各 1錠(計2錠、150mg)、1日2回の服用だった。しかし、父が誤って100mg錠と50mg錠を1回2錠ずつ(計4錠、300mg)服用させてしまっ た。服用3日目に、祖母がその誤りに気づき、その日の夕方は休薬し、翌日(服用4日目)から正しい量(1回150mg)を服用した。服用5日目に、吐気、 嘔吐、下痢、手のしびれ、過呼吸が出現し入院となる。テオフィリン中毒と判断し、薬用炭を経口投与したが、嘔吐。補液、カリウム補給で症状は次第に軽快 し、3日後に退院した。テオフィリン血中濃度は、入院時49.1μg/ml(17時30分)、44.0μg/ml(20時30分)、入院翌日 20.0μg/ml(6時00分)。血清K値は入院時2.8mEq/lであった。

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  テオフィリンの血中濃度が一定になるのは約3日です。血中濃度が40μg/ml以上は重篤な中毒で、心停止を起こす可能性があり、注意が必要です。本例で は1回の服用量が100mg錠と50mg錠を各1錠(計2錠)という処方でした。調剤薬局の窓口でもそう説明しましたが、実際は100mg錠と50mg錠 を各2錠ずつ服用するものと誤認され、服用してしまいました。
  同一名柄の薬剤を2種類以上処方すると服用方法が複雑になります。服用方法は単純にし事故防止につとめましょう(本例の場合、1回50mg錠を3錠として処方する、なども1つの方法です)。

(民医連新聞 第1377号 2006年4月3日)

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