事業所のある風景

2005年12月15日

香川/高松協同病院 医療連携の強化と地域の健康づくり

 NHK大河ドラマ「義経」で「屋島の合戦・那須与一の扇射落とし」として再び脚光を浴びた屋島、そこから4kmほど南東に位置する田園の中に高松協同病院はあります。

かかりつけ医と回復期リハ機能

 高松協同病院は、香川民医連第四次長計骨子(2000~2004年)から「長期療養病院の確保」が打ち出され、全国的にも珍しい他の医療法人の経営権の 取得によって実現しました。2000年当時、病院・病床の再編と在院日数の短縮で病状にかかわらず早期に退院せざるを得ない事態が生まれていたこと、一方 で高松市内では3年間に400床あまりのベッドが減少し、地域で高齢者が気軽に入院できる病院数が不足する状態でした。また医療面では、リハビリテーショ ン医療を行う医療機関が不足していることなどから、新病院の医療構想は、外来は「かかりつけ医」機能を、病棟は全床(45床)回復期リハビリテーション病 棟とすることにしたのです。
 2001年病院開設許可が出され、建設運動は急きょ始まりました。この運動は、香川医療生協の全面的協力のもと、2002年2月から約7ヶ月間、病院周 辺地域へ病院開設のお知らせと協力のお願いを目的に訪問を集中して行いました。延425名の職員・組合員の参加、3734軒の訪問、1406名と対話、 607名の組合員加入の成果を得、同地域の組織は組合員3500世帯・5支部・42班の組織に発展し、病院建設を支え、高松協同病院は2002年8月に開 設されました。

医療生協法人との協力協同

 高松協同病院は医療法人ですが、香川医療生協が高松市内東部地域の健康づくりの中心医療機関として位置づけ、協力協同のもとで同地域の健康づくりと病院 の利用紹介に努めてきました。医師2名による外来診療ですが、現在1日利用者数は100名を超えます。利用動機の多くは利用者による紹介と組合員による紹 介(計41.8%)です。病棟は回復期リハビリテーションの特長を生かすため、「できるADLからしているADLへ」「早期在宅復帰を図る」を果たすため 多職種の協力によるチーム医療の実現に努めてきました。その結果、市内では「回復期リハなら協同病院」という評価が生まれ、市内一般病院からの紹介入院が 増えています。

医療連携懇談会にて

 本年8月2日、市内急性期一般病院と医療連携懇談会を実施したところ、7病院13名(内医師3名)が参加し熱心な交流となりました。ある参加者は、「協 同病院ができるまでは、入院後3ヶ月が経過したら不安を抱えたまま、患者さんを在宅や施設に追いやっていました。しかし協同病院ができてからは本当に安心 して紹介しています」(市民病院医療相談員)とおほめの言葉を頂きました。今後ますます高松市東部地域の医療連携の強化と健康づくりを進めていく予定で す。
高松協同病院 事務部長 大山哲也)

「民医連院所のある風景」 『民医連医療』2005年12月号.No.400より

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