副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2006年6月5日

副作用モニター情報〈246〉 塩酸ラロキシフェン錠(エビスタ®錠)による霧視

〔症例1〕エストリオール(エストリール®錠)1㎎から本剤に変更。開始1カ月後に「目のかすみ」を訴える。エビスタ®錠を中止し、眼科受診をすすめる。2カ月たっても目のかすみが続くと訴えあり。
〔症例2〕エビスタ®錠を開始。1カ月後の受診時に「目のかすみ」を訴える。エビスタ®錠を中止し、眼科受診を勧める。2カ月後も訴え続く。
〔症例3〕エビスタ®錠を開始して1カ月後、調剤薬局に電話があり「目のかすみ」を訴える。医師に確認し、中止とする。その後訴えなし。
〔症例4〕エビスタ®錠を投与開始後、1日で足にピリピリとした痛みと「目のかすみ」を訴え、中止となる。1カ月後の受診は、特に訴えなし。

*    *

 2004年4月に発売された本剤は、骨形成を阻外することなく骨吸収を抑制し、強力な骨量増加作用を有するとされています。さらにビスホスフォネート系薬剤とは異なり、1日1回、いつ服用しても良いため、閉経後の女性の骨粗鬆症に投与されるケースが増加しています。
 一施設から報告があったこれらの症例は、いずれも70代から80代の高齢者です。目のかすみなどは、薬剤によるものとは気づきにくい副作用だと思われま す。急性視力障害は静脈血栓症の前駆症状としても注意が必要であり、迅速な対応が必要です。メーカー報告によれば、視力低下・霧視などの視力障害は、いずれも1カ月以内の早期に出現し、投与を中止すべきとされています。本剤が開始となった患者様には、「目のかすみ」の症状に注意し、出現したらすぐ連絡する よう伝えるとともに、開始から少なくとも2カ月間は、受診時には毎回、「目のかすみ」について、必ず問いかけることが大事です。

(民医連新聞 第1381号 2006年6月5日)

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