民医連新聞

2002年5月21日

35回民医連総会方針を討議しよう 学習教育月間-3- 日々悩んでいる終末期の医療など論議できる倫理委員会が必要

35回民医連総会方針を討議しよう 学習教育月間-3-

日々悩んでいる終末期の医療など論議できる倫理委員会が必要

人権を守る医療・介護
東京・大田病院婦長会議

 4月24日朝、大田病院婦長会議は総会方針討議を行いました。討議の中心テーマは、患者・家族との信頼関係を築く医療をどうつくっていくか。
 参加者は剣持総婦長ほか九人、司会は堀田婦長です。

◆    ◆    ◆    ◆

 司会 総会方針では、「人権を守る医療・介護」の項で、「医学の進歩と医療や福祉を取り巻く環境の変化のもとで、安全・安心・
信頼の医療や介護、医療の質の向上、医療の公開をすすめなければなりません」と強調しています。その点で、大田病院ではどうか、どんな課題があるのかを出し合いましょう。
  高齢の患者さんが多くなっているので、とくに気をつけなければいけないと思っていることは、治療 方針や予後の見通しなど医師や看護師の説明をどれだけ分かりやすく説明するかということです。こちらは説明したはず、と思っていても患者さんや家族はまっ たく違った理解をしているということがあり、そういうトラブルが多くなっているような気がします。
  医師が行うムンテラには看護師も同席して記録して、看護師集団全体の共通認識にして患者に対応す ることやカンファレンスがとっても重要だけれど、医師体制の関係でなかなか困難という問題もあります。患者さんに対する医師と看護師の対応に食い違いが出 るということがいちばん怖いですよね。いま、職責で話し合っているところです。
  とくに終末期の医療をどうするかは私たちも日々悩んでいます。家族の方はとにかく苦しまないよう にという思いが強いわけですが、それは「死」と結びつけて考えてはいないわけです。そこで医療者がどのような医療を行うかは、患者家族の方がたに集まって もらっていっしょに結論を出すように努力する、ていねいに対応することが重要だと思います。
  インフォームドコンセント、患者・家族と医療者との意志疎通はどうか、カルテ開示も含めて大田病院でも検討しなければと思います。
 それと医師と看護師の関係がほんとうに民主的なものになっているか。うちでもかなり看護師が医師にものが言えるようになってきたとは思いますが、まだまだではないでしょうか。私たちもあらためて見直す必要があると痛切に思います。
  集中カンファレンスや総回診で医師が集団的に検討するとか、日常的にはそれなりにやっているつもりでも、本当にはできていないこともあるのではないでしょうか。
  人権を守る医療とか患者の立場に立つ医療ということが、日常の医療活動の中でどのように実践されているか、ふり返らないといけないのでは。
  総会で肥田会長が、県連の拠点となる病院では倫理委員会が必要と強調していました。倫理委員会が 遺伝子医療とか脳死臓器移植など高度医療を対象にするだけでなく、たとえば高齢者の終末期の医療など日々悩んでいる問題を、医療者以外の人も含めて集団的 に検討する場として設置する必要があるなと、あらためて思います。

(民医連新聞2002年05月21日/1276号)

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ