民医連新聞

2002年7月1日

待合室緊急インタビュー/“これでは本当に、生きていけない―”

待合室緊急インタビュー
“医療改悪”患者さんの声は

“これでは本当に、生きていけない―”

 サラリーマン本人の医療費自己負担の3割への引き上げや老人医療費一割定率負担など、年間1兆 5000億円もの負担増を押しつける医療改悪法案が、6月21日の衆議院本会議で、自民、公明、保守の与党三党により採決が強行され、可決しました。直後 の待合室の声を緊急インタビューしました。
(6月21、22日/埼玉・浦和民主診療所、汐満忍記者)

◆    ◆    ◆

  負担増には反対。
これ以上負担が上がるんなら、先生には悪いけど通院をやめるよ。家でも血圧測れるし、血圧も今は落ち着いているし…。
 (高血圧で月1回通院、山上洸さん・72歳)
 
 夫を亡くし、年金収入だけでひとり暮らしです。普段は診療所に通院していますが、先日病院でCTを撮ったら3000円と言われ「保険がきかないの?」って聞いちゃいました。4月に亡くなった友人は、3カ月ごとに病院を追い出され、転院4カ所目で亡くなりました。私は介護が必要になったらどうなるか不安。(高血圧で通院、田中和子さん・81歳)
 
 診療所に通院する人のなかには、一回850円でも青息吐息の人もいます。「1割、2割」という定率負担っていうのは、本当に公平な負担なんでしょうか。(女性・71歳)
 
 C型肝炎の治療で通院しています。先日、患者会の集まりで透析の患者さんが「これでは本当に生きていけない」と発言していました。インターフェロンの注射もお金がなくてうてない人が増えています。このままでは助かる人も助からなくなってしまいます。(女性・65歳)
 
 高血圧と甲状腺でそれぞれ月1回の通院中です。私の健康保険は社会保険・本人ですが、検査をした日は大変な金額にな ります。先日主人は大病して退職し国保になりました。国保の保険料は直接払い込みますから、まとまると払い切れません。病気にもなれない時代になってし まった。年齢とともにいろんな病気もでてくるでしょうからこれから大変です。これ以上の負担増は困ります。(青木節子さん、55歳)
 
 定年退職して今年から国保です。国保料は昨年の収入で決まるから、年額60万円払わなくてはいけない。一方の年金収入は、働いていたころの3分の1しかない、きついねぇ。
 医療費のことは現役の時は考えもしなかったが、今は気になるよね。テレビを見ていると今の50代はリストラもあって大変、若い人はもっと大変になるんじゃないか。 (糖尿病で月1回通院の栗山征男さん・60歳)
 
 今度は3割っていうけど、サラリーマン本人はもともと0割負担だったよね。一定の自己負担はしょうがないにしろ、適正な負担ってあるよ。国庫負担のあり方に問題があるのでは? 財源の問題もあるけど、これまで国はまともな手立てをとってこなかったよね。(男性・57歳)
 
 われわれ国民にはキチッとした説明がまったくないよね。不公平感も感じるし、納得できないところが多いよ。(男性・63歳)

(民医連新聞2002年07月01日/1280号)

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ