副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)
2007年10月15日
副作用モニター情報〈277〉 ステロイド吸入剤フルタイド®による眼圧上昇(2)
前回、フルチカゾン(フルタイド®)吸入薬による「眼圧上昇」の副作用を2件報告しました。
ステロイドによる眼圧上昇は、通常は可逆的ですが、眼圧回復に時間がかかり、まれに視野障害が回復しないこともあり、早期発見が重要です。人によって感受性に差があり、年齢も乳幼児や高齢者ほど反応性が高いとの報告がされています。
フルチカゾン(FP)による眼圧上昇もしくは緑内障の副作用は、添付文書には記載されていません。しかし、海外においてベクロメタゾン(BDP)吸入を 1,600μg/日以上の高用量で3カ月以上使用した患者に、眼圧亢進または開放隅角緑内障発症の危険が有意に高いとの報告があります。添付文書にも「基 本的注意事項」として記載され、鼻腔内投与では重大な副作用として注意喚起されています。
FPはBDPより消化管での吸収率が低いので、全身的な副作用の影響は出にくいと考えられていましたが、高用量吸入の長期間継続では厳重な注意の必要性を示唆しています。
もともと眼圧が高い人や高齢者に対してステロイド吸入剤を高用量で長期に継続する場合は、定期的な眼圧測定をすすめます。
(民医連新聞 第1414号 2007年10月15日)
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