民医連新聞

2002年9月21日

秋のたたかいと共同組織強化発展にむけた合同会議/患者守り、たたかい広げ/合い言葉は「地域」へ

 9月13~14日、「秋のたたかいと共同組織強化発展月間に向けた合同会議」が東京都内で開かれ、国民 運動、共同組織担当者を中心に、約240人が参加しました。会議の目的は3点、?当面する情勢の認識の一致をはかる、?全国のたたかいの経験を交流す る、?秋のたたかいと共同組織強化発展月間の方針について意思統一する、ことです。

 1日目の全体会で、永田勝美全日本民医連事務局次長が問題提起を行いました。
 昨年の合同会議から1年に及んだ医療改悪反対運動が「戦後最大」の規模ですすみ、与党をギリギリまで追いつめた。医師会はじめ医療関係団体や地域の老人 クラブなどと新たな共同がひろがり、署名では、最終集約で約3000万筆に届いたと報告。
 秋のたたかいのキーワードは『大運動』を確信に、「全職員と共同組織がいまこそ『地域へ』」。改悪撤回を求めるたたかいと「被害」を軽減するとりくみ/ 介護保険の改善を求める当面の重点/国保改善のとりくみ/有事法制に反対するたたかい、の四点が課題として提起されました。
 共同組織月間では、?平和と福祉の国づくり、安心して暮らせるまちづくりをめざす草の根からの運動を地域からすすめること、?民医連事業所をまもり、発 展させるとりくみ、?300万共同組織と5万の『いつでも元気』の達成、の3点が課題。
 永田次長はまとめで「これ以上の負担に耐えられない、という国民の声を踏みにじって強行された医療改悪の撤回を求めるのは、国民生活と医療をまもる上で 正当な要求。同時に日本経済の再建にも欠かせない。また実害をくい止めるたたかいは、最後のよりどころとしての民医連の存在意義をかけたとりくみ」と呼び かけました。
 このほか全体会では、二宮厚美神戸大学教授の講演「小泉構造改革と02年秋の国民運動」、パネルディスカッション「いのちを守る国民的共同をいかに広げるか」が行われました。
 2日目に2つの分散会で交流・討論(要旨は後述)を行い会議を終えました。

   *   *

 パネルディスカッションでは4人のパネラーが発言。伊藤周平・九州大学助教授「国民健康保険の空洞化と社会保 障」、佃十尚・宮城民医連副会長「介護改善をめざすとりくみについて」、京都民医連事務局の諏訪健次さん「いのちと人権を守る国民的共同をいかに広げる か」、山口格・共同組織活動交流全国連絡会副会長「安心して住みつづけられるまちづくりの課題」。
 諏訪さんは「目の前の患者さんの被害を防ぎたい、と医療改悪に反対してきた。訴えに責任を持たなければ」と、県連のとりくみを紹介。また、「償還払い」 を「骨抜き」にするために、整理した自治体要求のポイントを紹介。全国一斉に自治体への働きかけを起こそうと呼びかけました。

【分散会の発言から】
[山形] 医療改悪反対署名12万7599筆集める運動をした(全国トップ)。学習を重視し、地域に出て、お金も使った大宣伝を展開。職員・共同組織が自 分の言葉で訴えるようになった。1人で100筆以上集めた看護師が何人も出た。団体要請で看護協会から初めて賛同署名が寄せられた。この経験を秋に生かし たい。『元気』は、10月中の達成をめざしたい。
[愛知] 社保協を中心にした運動で、県内150万筆の署名が集まった。「保険医デモ」は100人の医師が参加。8割の地区医師会が賛同。地元の民主党議 員15人中12人が紹介議員に。1757世帯に発行されている国保資格書の機械的発行をやめ、国保料滞納者と面談を行えと交渉中。
[北海道・十勝] 友の会長が電卓を手に、共同組織会員を訪問し、負担増を試算している。「負担増分を食費削って捻出する」と答える人が多い。大運動で人 口の一割超える署名集めた。友の会に組織して、為政者があなどれない運動をつくりたい。
[北海道・札幌] 『北海道医報』に載った開業医の短歌「献金しひそかに頼む手は古し 患者まきこみ理論武装すべし」にみるように、医師会員の中で医療改 悪法成立に怒りが渦巻いている。「国保・介護110番」のポスター3000枚を床屋、銭湯、スーパー、町内会館などにはりめぐらしている。
[大阪] 被害者を出さない運動が大事。7回も生保の申請をしたがだめなケースが発生。大阪生健会では「ガス・水道を止めるときは会に通知を」と申し入れ。高齢者のリレートークとデモ行進を予定。
[岡山] 秋のたたかいでも学習を重視したい。大運動では学習会をのべ1477回開催、9371人、職員は80数%が参加した。それが力になり一人で1000筆を超える署名を集めた職員が生まれた。
[広島] 「国保のレセプトを名寄せして、限度額を超える人には本人に償還払いの通知せよ」「償還払いの申請用紙をいろいろなところに設置せよ」などの要求で広島市と交渉した。
[鳥取] 倉吉市で地域社保協が14日結成。診療所新設が力に。元気な組合員さんと月間をがんばりたい。
[兵庫] 東神戸地域では、従来型でない創造的な活動をめざし9月30日に「支部交流集会」を開く。
[山梨] 甲府市の健診制度が4月から、回数や会場を制限し、有料になるなど改悪された。1カ月で2700筆の署名を集め議会に改善を請願したら採択された。友の会の力が大きい。

(民医連新聞2002年09月21日/1287号)

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