民医連新聞

2002年10月1日

「市民とともに国政・医療改悪とたたかう」/各地の医師会から抗議ぞくぞく/地区医師会が民医連医師に託す/「腹の底からの怒りを伝えて」

「市民とともに国政・医療改悪とたたかう」

各地の医師会から抗議ぞくぞく

 国会通過後、医療改悪への怒りの声は静まるどころか、ますます高まっています。各地の医師会・歯科医師会で、 診療報酬改悪・医療改悪に対する抗議の決議・声明があいついで出されています。強行した与党への批判と憤りを背景に「政治連盟のあり方が自民党一辺倒でよ いのか」との問題提起まで行われています。

  地区医師会が民医連医師に託す 「腹の底からの怒りを伝えて」

  札幌市医師会では、定時代議員会が九月七日開かれ、札幌病院の猫塚義夫副院長が代議員として発言。医療改悪に対する憤りの声に共感がひろがり、決議もあがりました。決議では、診療報酬の再改定を強く要求し、医療保険財政難の解消を患者負担増に頼ることに断固反対しています。
 〔猫塚医師の話〕私は白石区支部の代議員として参加しました。幹事会で、代議員会での発言者に指名されたのです。
 幹事会では「会員の腹の底からの怒りを伝えてきてほしい」と言われ、支部長と相談しながら発言原稿をつくりました。
 当日、まず冒頭の会長あいさつと医政部長の報告に驚きました。診療報酬のマイナス改定と健保法改悪問題についてずいぶん時間を割いて述べていました。
 発言時間になり、私は一番に挙手をして発言。医師会支部長はじめ89人の医師会員が賛同し、区民・関係者400人が参加した5月18日の白石区民集会に ふれ、強行採決という暴挙を批判しました。そして医療改悪・診療報酬改定に対する執行部の考えについて質問しました。
 すると次つぎに手が上がり、「たたかう医師会にならなくては」「市民とともにすすもう」などの意見がぞくぞくと。結局、医療改悪をめぐって26人の代議員が発言、時間を1時間20分もオーバー。
 こうして違和感なく、医療改悪に対する憤りは、全体の共感に。執行部も「大いに論議を」との姿勢でした。決議案も上がり、まさにかつてない代議員会に。
 終了後「白石区の発言が一番良かった」と多くの代議員から声をかけられました。
 民医連や社保協と共同できる条件が広がっていると実感しました。(『北海道民医連新聞』)より

 与党に批判が集中

 大阪府医師会では8月22日、政府・与党に対して「社会保障としての医療保険制度の堅持」などを求める決議を上げ、「今回の医療改悪は不公平極まりない」と批判しました(『大阪府医ニュース』)。
 広島県医師会は、国会閉会直後の8月8日、決議声明をあげました(『広島県医師会速報』)。
 「4月からの診療報酬のマイナス改定、更に7月26日、国会で健保本人3割負担並びに高齢者定率1~2割負担とする一連の医療保険制度改革を与党単独採決で決定したことに強く反対の意を表明する」として、5項目の決議をあげました。
 兵庫県歯科医師会では8月7日、会長名で、日本歯科医師・日本歯科医師連盟の臼田貞夫会長宛に、申入書を提出しました(『兵歯広報』)。
 申入書は「健保法一部改正案が、全く修正されることなく、与党単独による強行採決で成立したことは、痛恨の極み」とのべ、法案を成立させた自民党を批判 しています。また「結果的に、6万4千会員の浄財が法案成立につぎ込まれたに等しく」と、日歯政治連盟が一体いつまで自民党一党支持にこだわり続けるのか はなはだ疑問」と断じています。
 また千葉県歯科医師会が要望書を、信越歯科医師会が申入書を、北海道歯科医師連盟が抗議文をだし、「健保法改正」強行採決を批判しました。
 8月30日に開かれた歯科医師会都道府県会長会議では、「健保法改正」に賛成票を投じた中原参議院議員を批判するなどの動きがあったことを、『日本歯科新聞(9月3日付)』が報じています。
 大牟田歯科医師会は「歯科医業の倒産時代がやってきます。一生に一度や二度は国政とたたかうことが必要です」と、会員に「医療改悪への抗議」を掲示するよう通知しています。

(民医連新聞2002年10月1日/1288号)

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