事業所のある風景

2015年1月15日

宮城/長町病院 無差別平等の地域包括ケアの実践を

 長町病院は、1949年に無産者・上杉山診療所として誕生。翌年長町に移転。この街で〝だれもが安心できる一切差別のない、平等な医療を行うこ と、そして社会保障の重要な一環としての医療制度の住民の立場に立った充実・改善をめざす〟活動を行い、半世紀を越えました。差額ベッド代はいただかな い、無料低額診療事業などを継続しています。

震災復興支援も継続

 長町は、仙台市南の副都心的な役割を担い、変化を続ける一方で、 昔からの遺産が穏やかに佇む町でもあります。複数の商店会が、朝市、笹谷街道紙芝居など地域ぐるみの企画で地域を盛り上げています。JR線を挟み東側で は、長町操車場跡地を長町副都心「あすと長町」とし、大規模な再開発事業が進行しています。
 震災後、ここに応急仮設住宅が作られ、自治会からの依頼で、無料健康相談会を継続してきました。運動で、あすと長町の地にも復興住宅が3棟新築されま す。集団入居も受理され、支援は継続していきます。
 2011年の震災では附属クリニックの建物を失い、機能を長町病院にうつし、診療を継続。附属クリニックの跡地構想検討委員会答申で①跡地に新病院を建 設し、病棟と外来機能を療養環境と機能向上をめざし、再構築する、②現病院は、連携介護事業の震災前と同様の集約と入所系事業を検討するとし、保健・医 療・福祉(介護)の複合体としてさらに発展させることを確認しました。

新病院が完成して

 震災復興第1弾として、2014年3月に135床の新病院が完成。一般病床33床、地域包括ケア病床12床、回復期リハⅠ45床・Ⅱ45床、仙台市南部で唯一の回復期リハを持つ医療機関として、地域連携パス含め、新入院は全て連携医療機関からの紹介患者が占めます。
 外来は、糖尿病などの慢性疾患管理、リハビリ、小児科、外科そして乳児健診、被爆者健診などの保健予防活動を環境のよい新棟で開始。旧棟では、居宅介護 支援(特定Ⅰ)通所リハ・介護、訪問リハ・看護・介護、メディカルフィットネスを再集約、院内保育所、障害者就労支援事業軽食喫茶を開始しました。

地域の期待に応えて

 今後、超高齢社会進行とともに、高齢者の住まいの問題が、さらに 深刻化します。仙台市は2025年に向けて老年人口が10万人以上増加する医療圏の1つです。特に長町は、中学校区ごとの高齢者人口が仙台市内で1番多い 中学校区です。震災復興第2弾では低所得者も入居できる有料老人ホーム「はなみずき」の入居を先月開始し、地域の期待に応えています。
 機能強化型在宅療養支援病院として、長町郡山地域在宅ケア連絡会事務局の委託を仙台市から受け、長町・郡山・富沢3つの地域包括支援センターと連携。地 域支援事業「元気応援教室」も仙台市から委託され2006年から継続しています。またFM太白のラジオ番組で〝地域まるごと元気に〟の放送を依頼され実施 しています。より一層地域の医療機関、介護事業所、そして患者・住民の皆さんと共同して、無差別平等の地域包括ケアの実践を追求していきます。
長町病院 事務長 花木 かよ子)

「民医連事業所のある風景」 『民医連医療』2015年1月号.No.509より

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