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2015年3月18日

岡山/玉島協同病院 もっと地域の中へ、もっと地域とともに

 玉島協同病院は岡山・倉敷市で最も南西に位置する、瀬戸内海に面した、一般54床(10対1、地域包括ケア病床を含む)、医療療養54床(空床を利用してのショートステイを含む)を有する内科中心の病院です。救急指定病院として、玉島地区の他の救急指定病院との連携や、市内中心部の高次救急病院との連携に力を入れながら、同地区の内科一般医療の提供に役割を発揮しています。必要なときに安心して入院できる病院として、地域になくてはならない病床を守ってきました。開設当初から36年間、ほぼ毎月欠かさず続いている当院医師と地域の開業医との勉強会「玉島南医療懇話会」は、参加する開業医から、地域の医療水準向上に対する貢献として高く評価する声を頂戴しています。

全人的な治療と生活のサポートを

 機能強化型在宅療養支援病院として、訪問診療や訪問看護を柱に、住み慣れた環境で療養したいという要望にも積極的に応えています。開設初期から、退院後の在宅療養支援として「デイホスピタル」にとりくみ、現在の通所リハビリテーションに引き継がれています。この理念の上に立って、在宅療養を支援する「地域包括ケア病床」も取得しました。
 また、地域の医療・介護事業者だけでなく、社会福祉協議会や高齢者支援センター、保健推進室、町内会、老人会、隣接する中学校などと連携し、当院と共同組織が主体的に係わる地域包括ケアの模索を開始しました。訪問事業や介護事業の分野で積み重ねてきた高い信頼は、地域連携をすすめるうえで大きな強みとなっています。増大している透析医療の要求への対応も始めました。
 人生のあらゆるステージで、家族ぐるみで頼りにされる病院であり続けること、病気だけを診るのではなく、全人的な治療と生活のサポートをすすめるチーム医療の実践をめざしています。

「医療機能がある避難所」実現に向けて

 2004(平成16)年の台風16号による高潮災害で、海沿いの低地に建っていた当院は、2階以上の病棟機能はかろうじて維持できたものの、1階外来機能はストップしてしまいました。また地域では、独居のお年寄りが犠牲になるという辛い経験もしました。全国の民医連事業所からは、たくさんのボランティアの支援をいただきました。
 毎年の台風と、近い将来必ずやってくると言われる巨大地震と津波。「そのときのために、医療機能がある避難所を」の願いは、この地域に暮らす人々に共通する願いです。
 2014年12月、高潮や津波の心配のない土地に、私たちは新病院をオープンさせました。万一、地域のライフラインが途絶えても、すばやく機能回復する電化設備を持った建築とし、患者・職員だけでなく、罹災(りさい)者も含めて3日分の非常食を備えています。地域からは早速、「病院と一緒に防災訓練をしたい」との要望が寄せられています。
 地域包括ケア時代の幕が上がった今、「住民のいのちと健康を守る民医連の事業所」の実現に向けて、もっと地域の中へ、もっと地域とともに、共同組織と役職員の英知を結集して前進する決意を固めています。
玉島協同病院 事務長 亀山 真一)

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