事業所のある風景

2015年10月15日

民医連事業所のある風景 山形/健生ふれあいクリニック/すべての人々の不安を取り除くために

 山形県酒田市は現在人口約11万人弱の、昔たいそう栄えたという湊町です。その後は山間部同様、さしたる基幹産業も育たぬまま今日の少子高齢化を迎えようとしており、過疎化対策が一番の行政課題となっています。
 酒田健康生活協同組合は1979年に設立後、時々の情勢変化に対応しながら、事業運営や組織活動を拡大し今日に至りました。現在の組合員は1万1000人、自己資本金4億8000万円という到達状況にあります。特に2001年に、現在の「生協共立社こぴあ」の隣接地に新築移転を果たしたことが、これまで最大の事業であり、組合員拡大の大きなステップになりました。

いつでも誰でも気軽に立ち寄れる診療所

 当クリニックは、設立当初のモットーのもと、職員が少人数の間は家族的雰囲気で、それぞれの業務の枠を超え、自然な形で患者や近隣の組合員たちとも、和気あいあいと活動してきました。しかし、「最後は畳の上で」という多くの組合員の希望に応えるべく、それまでの訪問診療に加え、介護保険施行後は在宅サービスに特化し、通所サービス、ヘルパーステーション、ショートステイ併設、訪問リハビリと、まさに〝自宅が病室、道路は廊下〟といった有様となりました。それにつれて看護学生アルバイトから、介護の専門職へとスタッフ構成も多種多様、大所帯となっていきました。
 度重なる医療制度改悪、介護保険制度変更の波に揉まれながら、私たちは訪問看護ステーションの開設、閉鎖や介護療養ベッドの廃止などといった前進、撤退を繰り返し経験してきました。2005年に残存施設の有効活用を目的にメディカルフィットネス「ランラン」を開設、さらに県内に先駆け外来心臓リハビリテーションをオープンしました。その結果、現在では予防活動にかなり重点を置いた運営形態が当クリニックの特色となり、注目されるようになりました。

逆風を喜ぶたこのように

 十数人から始まった職員スタッフは現在100人を超え、職員間のコミュニケーション作りが今もっとも大きな課題となっています。「当法人に関わるすべての人々の不安を取り除く」。ばらばらになりかけたときは、必ずこれを合言葉として、これからも情勢や環境のせいにせず、常に独自の打開策を職員全員で編み出しながら前進していきたいと思っています。
 2019年に迎える創立40周年には、1万5000人の仲間増やしを達成すべく、地域の人々に頼られる、斬新で生きいきとした生協運動を展開していきたいと願っています。
健生ふれあいクリニック所長 本間 卓)

「民医連院所のある風景」 『民医連医療』2015年11月号.No.519より

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