くすりの話

1997年4月1日

くすりの話 4 咳止め液が覚醒剤に?

Q:咳止めの薬が覚醒剤として使われていると聞きました。本当ですか?

A:かぜ薬のなかには、覚醒剤の原料であるエフェドリンや麻薬の成分であるリン酸ジヒドロコデイン、興奮作用をもつカフェインなどが含まれている場合があります。
この成分は、咳や頭痛を抑える一方で、飲みすぎると眠気・疲労感がなくなり、多幸感や頭がさえたような感覚などの覚醒作用があります。
問題になっている市販の咳止め薬というのは、甘味料を加え、飲みやすくしている咳止め液のことです。この咳止め液には、リン酸ジヒドロコデインを含んでい るものもあり、乱用して薬物依存になるケースが増えています。覚醒剤と違って、誰でも気軽に買うことができることや甘味のある味、液状であることなどが乱 用につながる要因になっています。
定められた用法・容量を守るなら、けっして依存症になることはありませんが、多飲・暴飲すると依存症になる危険性があることを、メーカーはきちんと知らせるべきです。

Q:最近、高校生のあいだで覚醒剤が乱用されていると聞きましたが。

A:覚醒剤の乱用は、最近、10代、20代前半の若者に広まり、低年齢化しています。いわゆる非行グループや暴力団関係者にあてはまらないふつうの子のあいだに広まっています。
乱用の動機は「やせたい」「かっこいい」「友だちがやっているから」といった、なかばファッション感覚や遊び感覚といった軽いものです。
中学、高校で覚醒剤などの楽物乱用による体や心への影響を教育しているところもあります。ほんのちょっとした好奇心から安易に使いはじめると、一生を台無 しにします。誘われてもはっきりことわる勇気をもつことを、子どものころに教えておきたいものです。

Q:覚醒剤の中毒になるとどうなるのですか?

A:覚醒剤は、習慣性がきわめて強い魔の薬です。精神を興奮させる作用があり、一時的に陶酔感・爽快感・疲労からの解放感といった現象があらわれますが、薬の 効果がきれると、倦怠感・虚脱感を覚え、憂うつな気分におそわれます。このため、続けて使用する欲求がおこり、覚醒剤を断ち切ることができず、反復使用す ることで中毒症状となっていくのです。シンナーにも同様の作用があります。
覚醒剤を使用すると、「急にやせる」「顔色が悪くなる」「体の不調をうったえる」などの身体的症状と「壁や天井のシミが虫や小動物にみえる」「自分を殺そ うと誰かがねらっている」「自分の噂をしている」というような妄想や幻覚、幻聴などの精神障害がおき、悲惨な事件や事故をおこすこともあります。
覚醒剤は常用をやめたあとも、再発現象(フラッシュバック)という幻覚や妄想が3カ月から5年、なかには10年以上もつづくことがあります。覚醒剤が「白 い悪魔」とよばれ、いかに恐ろしいものであるかをしっかり教えましょう。

いつでも元気 1997.4 No.66

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