くすりの話
1997年1月1日
くすりの話 七草がゆで1年を健康に
Q:春の七草を1月7日に食べる習慣がありますが、どんな意味があるのですか?
A:「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞ七草」春の七草の歌は、あまりにも有名です。七草がゆの習慣は、中国から伝わりました。七草がゆを神に供え、家族全員で食べると、その年の無病息災がかなうという意味があります。
また昔は、冬には緑色の野菜が手に入りにくく、ビタミン不足の解消に、冬でも葉を広げている七草を食べたという、実用的な面もあったようです。
Q:七草の薬効、食べ方を教えてください。
A:●せり セリ科・多年草。
発汗・保温作用があり、冷え性やかぜに効果があります。豊富な鉄分と食物繊維は、貧血予防や便秘に役立ちます。血圧降下や解毒作用もあります。
苦みはありますが、民間療法として煎じ汁やしぼり汁にして飲むことがあります。おひたしやあえもの、またさっと炒めてもおいしいですよ。
●なずな アラブナ科・2年草。ペンペン草のこと。
利尿、解熱、止血作用があります。また、アセチルコリンやカリウムイオンの作用によって、高血圧や便秘にも効果があります。漢方薬としては使いませんが、中国やヨーロッパでの代表的な民間療法です。
おひたしやごまあえ、煮付け、三杯酢などに。
●ごぎょう キク科・2年草。ハハコグサ。
ヒトステロール、ルテオリングリコシド、カリ塩などが含まれ、扁桃炎や胃炎をしずめ、去痰作用があります。皮膚病に貼っても効果があります。
おひたしやてんぷら、草団子に使われます。
●はこべら ナデシコ科・2年草。
カルシウムや鉄などのミネラルを多く含み、整腸作用があります。また、生葉の葉緑素は口臭予防にすぐれています。民間療法として使います。
おひたし、ごまあえ、味噌汁の具に。
●ほとけのざ キク科・2年草。
おひたしや炒め物、味噌汁の具や佃煮にして。
●すずな アブラナ科・カブのこと。
食物繊維が豊富で、便秘に役立ちます。漬け物はもちろん、三杯酢や煮物にしてもおいしい。
●すずしろアブラナ科・大根のこと。
葉にはビタミンC、根にはでんぷん分解酵素のジアスターゼ、たんぱく質分解酵素アミラーゼ、エステラーゼ、さらにカルシウムや鉄も多量に含み、食物繊維も多いので、消化を助け、便秘に効果があります。
このほか冷え性、肩こり、神経痛、咳止め、利尿、鼻づまり、外用薬としてじんましんなどにもよいでしょう。
大根おろし、煮物、漬け物、葉は油炒めなどに。
1月7日といっても、本来は旧暦のことで、現在の新暦の1月7日に手に入る若葉は限られています。七草にとらわれず、身近な野菜を使って、おかゆを作ってみてはいかがでしょうか。
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