事業所のある風景

2016年10月17日

民医連事業所のある風景 北海道/勤医協苫小牧病院 弱い人の立場に立ちよりどころとされる病院めざして

 勤医協苫小牧病院は、新千歳空港から車で約30分の太平洋岸に面した苫小牧市にあり、南北24キロ、東西約40キロに広がる市の中心部に位置しています。診療圏となる苫小牧市の人口は約17万3200人の工業都市で空港に近接している利便性から北海道工業地域を代表する工業都市・港湾都市となっています。近くには支笏洞爺国立公園、支笏湖があり、背後には活火山で標高1024メートルの樽前山があります。また渡り鳥の休息地として国際的にも重要なウトナイ湖も近くにあるなど、自然豊かな地域です。

患者との信頼関係を大切に

 当院は、何でも相談できる雰囲気と患者と病院との新しい信頼関係づくりをめざして1981年4月16日に開院し、今年で35年目を迎えました。現在、外来は内科と整形外科を標榜し、内科では急性期から慢性期まで幅広い診療を行いながら、二次医療圏域で唯一の在宅療養支援病院として、地域の医療機関と連携しながら在宅医療にも力を入れています。整形外科では、手術機能を有し年間400例を超える手術も行っています。とりわけ、手の外科分野においては近隣医療機関からの信頼が厚く、当院への紹介が年々増加しています。病棟は急性期一般病床42床と、回復期リハビリ病床38床の2病棟を運用していますが、2017年4月には一般病床内に地域包括ケア病床の新たな導入も計画しながら、地域における多様な要求に応えるため、病床機能の再編強化をすすめています。

健康友の会・地域住民の方々とともに

 2016年3月には北海道勤医協として2カ所目となるHPH(健康増進活動拠点病院)国際ネットワークに加盟しました。院内のHPH委員会を中心に多職種が協力しあいながら、院内での「ソーシャルバイタルサイン調査活動(SVS)」や地域での「ふまねっと体操」「サルコペニア啓発活動」に加えて職員の「喫煙調査」や「腰痛肩こり調査」など1万2000人を超える地域の健康友の会会員や周辺地域住民の方々とともにさまざまな健康づくり活動にとりくんでいます。

無差別平等の医療機関として

 1949年の法人設立以来、一貫して大切にしてきた「お金のあるなしで命が差別されてはいけない」という思いからとりくまれている無料低額診療は、苫小牧市においては患者や職員、地域の方々の強い要望から市との交渉も行うなかで2014年4月から保健薬局でも市独自の助成制度によって一部負担金の免除が適用(初診時3カ月間)されました。さらに2016年1月からは期間が延長し6カ月間の適用となっています。今では月に120人を超える方々が制度を利用されています。
 貧困と格差がすすむなか、私たちは今後も常に弱い人の立場、患者の立場に立ちながら、よりどころとされる病院づくりをめざして奮闘していきます。

勤医協苫小牧病院 事務長 三浦 秀之)

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