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2016年11月15日

民医連事業所のある風景 沖縄/特別養護老人ホームゆがふ苑 全国の仲間と連携して平和な沖縄・日本を

 沖縄県の高齢化率は2015年4月現在で19パーセント、2025年予測においても21パーセントで、全国と比較すると低い状況です。
 しかし、介護をとりまく状況は決して良好とはいえません。所得率が全国平均の7割という水準で、経済的な問題により高額な有料老人ホームへの入居は困難な状況にあります。生活費を生み出すために共働きや長時間労働で介護力が不足しているなど、介護を継続できない場面が多々見受けられます。

だれでも安心して人生を…

 「地域の要介護高齢者をどう支えるか」「所得に関係なく、だれでも安心して人生を充実して終えられるように」を追求して沖縄民医連は2013年から特別養護老人ホーム(以下特養)建設にチャレンジをしてきました。
 特養を運営するには社会福祉法人の設立が必須であり、既存の介護サービスを社会福祉法人に移行していくなど模索するなかで、特養整備法人として選定を受け、2013年に社会福祉法人沖縄にじの会を設立しました。2015年には90床の特養知花の里を開設。2016年には70床の特養「ゆがふ苑」を開設することができました。

多くの支援を受けながら

 特養ゆがふ苑は、特養「知花の里」の建設中に那覇市が独自で公募し、数々の法人と競い合って建設した施設です。2施設ともに大型投資となることで公募参加の際には不安要素がたくさんありましたが、沖縄医療生協が運営しているセンター病院のある那覇市に特養を持つ意義を確認し、スタートさせました。
 建設準備会は沖縄民医連が中心となり4法人の知恵とチカラを結集し、資金面については3法人から多額の寄付の協力がありました。また、沖縄民医連では初めての社会福祉事業ということで、運営面ではたくさんの県連・事業所から支援してもらいました。この場をお借りして感謝申しあげます。

「二度と繰り返してはいけないもの」

 3人で始めた開設準備室から、現在は130人の職員となりました。介護未経験の職員も多いなか、質の高い介護をめざして毎日が奮闘と学習の連続です。
 知識と技術を習得することと同時に、民医連の介護・福祉の理念の実現に向けて、少しずつですが前に進んでいます。職員1人ひとりが、入居者・家族の思いを感じとり、その希望を実現できるまでには少し時間がかかるかと思いますが、その先にある充実感は図りしれないものです。
 2施設の開設で大勢の民医連職員が誕生しました。「平和をまもるたたかい沖縄」において、民医連の活動は重要となります。沖縄戦を経験した特養の入居者からも「二度と繰り返してはいけないもの」であることを継承してきました。
 今後も全国の仲間と連携して平和な沖縄・日本に向けてとりくんでいきたいと思います。

特別養護老人ホームゆがふ苑 事務長 玉城 好史)

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