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2017年9月5日

副作用モニター情報〈485〉 緩下剤センノシドによる大腸メラノーシス

 アントラキノン系の刺激性緩下剤であるセンノシド(商品名:センノサイド錠)で、大腸メラノーシスの副作用が報告されました。
症例)69歳女性。3年8カ月以上前からセンノサイド錠1T服用。慢性便秘にてセンノサイド錠のほかに、ビーマス錠2T、マグミット(250)錠4T、大建中湯1包、シンラック5mlを服用するも排便なく、内視鏡検査を実施。大腸メラノーシスと診断しセンノサイド錠を中止。ビーマス錠、マグミット錠など他の緩下剤にて経過観察中。
 大腸メラノーシスは、センノシドやセンナ・センナ実(アローゼン)、大黄など、アントラキノン系の刺激性緩下剤の服用を長期に続けることで生じる可能性があります。大腸壁に色素が沈着、肥大化することで大腸の動きが悪くなり、便秘症状が悪化したり緩下剤への反応性が低下します。内視鏡検査で大腸壁が黒く染まって見えるので「大腸黒皮症」とも言われます。
 大腸メラノーシスは可逆性の症状なので、原因となるアントラキノン系緩下剤を中止すれば回復します。しかし、回復まで半年~1年程度かかるといわれ、今回の症例でも中止から2カ月が経過しても回復は確認できていません。
 以前からよく知られた副作用ですが、2016年9月の添付文書改定でセンノシドの副作用に追記されるなど、改めて注意喚起されています。
 アントラキノン系を含む緩下剤はドラッグストアなどで一般用医薬品としても市販され、広く服用されています。緩下剤を長期間服用している人の慢性便秘は、大腸メラノーシスの可能性を考慮しましょう。アントラキノン系の刺激性緩下剤の安易な使用にも注意が必要です。

(民医連新聞 第1651号 2017年9月4日)

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