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2017年10月16日

民医連事業所のある風景 島根/虹 質の向上をすすめ、選ばれひらかれた事業所に

神話が息づく地に

 松江市南方の山沿いには出雲の縁結びの神様として知られる八重垣神社が鎮座します。虹は八重垣神社を田んぼの向こうに見る自然に恵まれた佐草の地にあります。
 敷地は広く、高齢者住宅に入居している方や老健入所中の方が職員と力を合わせて畑に野菜や果物を育てています。アナグマが巣をつくったりマムシが獲れたり、昔を思い出させる環境のなかで利用者が自分のスタイルで穏やかに暮らしています。

病院から施設へ

 虹は2015年4月、医師体制の維持が難しくなった長期療養型医療施設の松江生協リハビリテーション病院から180床の介護療養型老人保健施設として転換し、誕生しました。民医連加盟事業所の中では一番大きな老健です。2016年2月には2カ所目の高齢者住宅なないろ(27室)もオープンしました。
 老健を中心にした虹グループにはデイケア、居宅支援室、訪問介護ステーション、クリニック、2つのデイサービス、それに2つの高齢者住宅があり約180人の職員が働いています。転換型老健は、医療依存度の高い方や終末期の方の受け入れも可能です。
 転換後1年目から利益を出し、昨年度は目標にしていた剰余を大きく上回りました。松江保健生協の事業収益の約13%、剰余の半分以上を担っています。

くらしと医療・福祉をつなぐ

 松江保健生協版地域包括ケアシステムの「あったかまちづくりビジョン」は、健康づくりとくらしと医療・福祉の切れ目のないサービスを一体的に提供することを提案しています。松江生協病院は、急性期から、回復期、療養をカバーする大規模ケアミックスで医療機能が集中しています。虹グループは多機能なサービスを提供できる総合的な介護センターとしての役割があり、主に松江生協病院から長期療養や終末期を過ごす利用者を受け入れています。リハビリにはとくに力を入れ、驚くほどに回復され、他の高齢者施設や自宅へ帰られる方も増えています。
 毎月開催している「ざっくばらんな症例検討会」では、困難をきわめたこと、連携でうまくいったこと、利用者や家族の気持ち、今後のプランなどを多職種で事例を検討します。職員の熱い想いが生協の強みをいかして地域を支えていると感じます。

ケアの質向上をさらにすすめる

 四季を通して、利用者と地域の組合員や自治会などの交流を大切にしています。春には、社会人プロレス団体「松江だんだんプロレス」を招いて近隣の施設の方も参加し迫力あるレスリングを楽しむことが恒例になっています。昨年8月からは生活支援にとりくむ団体に「なないろ食堂」(子ども食堂)として会場を提供し、たくさんの子どもたちやボランティアが利用しています。
 虹は、介護福祉士の痰の吸引実習施設および実務者研修施設です。2018年度を目標に認知症看護認定看護師養成の実地研修施設取得への準備も進めています。ケアの質向上をさらにすすめ、選ばれる事業所、ひらかれた事業所づくりにとりくんでいきたいと思っています。
虹事務長 高橋 泰介)

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