事業所のある風景

2018年1月15日

民医連事業所のある風景 広島/コープ五日市診療所 選ばれる診療所になるために

病院が少ない地域に生協の診療所を

 広島市佐伯区五日市は広島市の西部に位置しています。1980年代以降、都心に近く自然が豊かな特性をいかし、北部の丘陵地域の宅地化が進み、広島市のベッドタウンとして発展しましたが、現在は高齢化が進んでいます。
 1990年代に、病院が少ない地域に生活協同組合の病院を望む声が増え、組合員と職員の期待が結集し建設のための運動が活発化しました。
 診療所の建設は、母体である広島中央保健生協の経営が非常に困難ななかで計画され、生協組織の拡大と経営再建の大きな期待を担っていました。

1994年に誕生した20年ぶりの医科診療所

 初代所長は「24時間診療できます。なんでも診ます」という方針を掲げ、また、健康教室も定期的に開催し地域の組合員を1日3人、1週間で20人増やすことを目標として土台づくりを行いました。
 また初代事務長は、五日市の診療所建設準備室から基幹病院である福島生協病院の職員に向けてほぼ毎日手書きのニュースを送り、統一行動への参加を促しました。その結果、開催当日は100人もの組合員の加入がありました。
 こうした努力の結果、1994年にコープ五日市診療所が誕生しました。広島中央保健生協では20年ぶりの医科診療所の建設でした。また、2003年7月には診療所に併設した認知症対応型のデイサービスを開設し、医療と介護の連携を行っています。
 現在私たちは、診療所の理念を「地域に根差した何でも相談できるかかりやすい診療所」と掲げて日々診療を行っています。

健診で早期発見・早期治療とアウトリーチのとりくみ

 コープ五日市診療所が重要課題としてとりくんでいることとして「年に1度誕生日月に健診を受けませんか」をスローガンに積極的に被爆健診、被爆2世健診、特定健診などを勧めています。また、在宅医療は在宅支援診療所を取得し、24時間体制で急変時の対応や看取りを行っています。
 また、地域で医療や介護で悩んでいる方がいないか、また、診療所について要望がないかを知るために、周辺を対象に組合員、非組合員の区別なく地域訪問行動を行っています。

デイサービスに向け、新たなとりくみ

 地域訪問行動で得た意見を基に診療時間の拡大から着手し、医師体制の強化、ハード面の整備を行うことが必要と考えました。そして地域の認知症の受け皿となるため、デイサービスの新たな施設展開も視野に検討を行っていきます。
 コープ五日市診療所は「医療・介護の連携」や「地域とのつながりの強化」を行ってきました。
 今後も、民医連が掲げる「無差別・平等の地域包括ケア」を職員一丸となって進めていきます。
コープ五日市診療所事務長 下久保 真人)

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