Dr.小池の世直し奮戦記

2005年5月1日

Dr.小池の国会奮戦記 規制緩和すすめたフジサンケイ 放送が外資に支配される危機まねいたのは

ライブドアとフジサンケイグループの「バトル」に、ソフトバンクも加わり、マスコミは過熱ぎみです。
 「カネさえあれば何でもできるのか」「放送という公共性の高い事業がマネーゲームの対象になっていいのか、外資に支配されることになっていいのか」とい う主張は一理あります。しかしそれをいっているのが、フジサンケイグループ側だというところが、笑止千万です。

お台場の新社屋のために

 民間放送会社の株式上場は、94年まで、事実上、禁止されていました。それが規制緩和されたのは、じつはフジテレビのためでした。フジテレビがお台場に 新社屋をつくるのに資金が必要になり、資金調達のため、法律を変えて株式上場できるよう働きかけたといわれています。
 自ら要求し、つくってきた規制緩和。その申し子がライブドアです。それを自分たちにとって邪魔になったとたん、政治家まで巻き込んで攻撃する。あまりに身勝手です。
ライブドアのやり方が、法にはひっかからなくとも、道義的にはかなり問題があることは事実ですが。

テレ朝「買収」のときは

 じつは96年、テレビ朝日をソフトバンクが買収しようとしたときがあり、今回とまるきり同じ構図です。ソフトバンクは「世界のメディア王」といわれる マードック氏と組んで、テレビ朝日への経営参加を目標に、筆頭株主だった「旺文社メディア」を買収。テレビ朝日ががんばってソフトバンクは手を引いたので すが、政府や与党はどう対応したか。
 当時は自社さ政権で郵政大臣は社会党の日野市朗氏(その後民主党)。彼は「歓迎する」といったのです。自民党も何も文句をいっていない。産経新聞は「番 組が多様化していいんじゃないか」という社説まで出した。それが今回は大騒ぎして大反対。
 本音はサンケイの右翼的な「正論」路線が外資によって歪んでしまっては困るからです。テレビ朝日が買収されるのは結構だ。しかし自分に都合のいいメディ アであるフジサンケイが買収されては困る。だから外資による支配は許せないといい出す。

こういう社会でいいのか

 つくづく、考えないといけないところにきていると思います。金さえあれば何でもできる。どんどん規制を取っ払って、弱い者は落ちていき、強い者は生き残 る。そういう方向の社会でいいのかと。今回の騒動は、その流れのなかで、非常に極端な形で現われてきた事件といえます。
 予算審議のなかで、小泉「改革」というのは蕫弱肉強食﨟社会をつくることだと、改めて痛感しています。
 「サラリーマンの定率減税は止めるのに、同じ時期に始めた高額所得者・大企業への減税は続ける。応分の負担をしてもらったらどうか」と質問すると、小泉 首相はいきり立って、「所得の50%以上が税金にとられるのでは、働く意欲がなくなる」と答弁。大企業の重役の勤労意欲は気にするけど、労働者の勤労意欲 はほんとにどうでもいいんですね。

いつでも元気 2005.5 No.163

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ