事業所のある風景

2018年4月16日

民医連事業所のある風景 青森/健生病院 新たな地でも、無差別・平等・公正の医療活動を

2017年秋に新病院へ

 健生病院は昨年10月1日、約50年間地域に支えられ発展をしてきた病院とお別れし、約4km南下した新たな地に新病院をオープンしました。新病院の特徴は、利用者・職員が利用できる約1000台の駐車スペースを確保したことです。建物は、旧病院より1.2倍の面積に広がり、とくに手術室が劇的に改善されました。
 入院機能では、弘前市内にはなかった緩和ケア病棟(14床)を新たに導入しました。基本的な医療活動はそのまま継承しています。

津川診療所が前身

 当院の前身は、ご存じの方も多いと思いますが、書籍『医療を民衆の手に』の著者で、当法人の津軽保健生活協同組合(以下、津軽保健生協)創設者、津川武一(つがわたけいち)医師が、1947年6月、弘前市内に「津川診療所」を開設したことから始まります。1952年2月には組合員約800人がつどい、津軽保健生協を設立しました。

農業中心の地域

 地域的な情勢では、青森県は平均寿命が毎年ワースト1位の短命で有名な県です。
 とくに、当院がある津軽地域の男性の平均寿命は77歳前後。食生活を含めさまざまな理由が考えられますが、農業が中心の地域であり低所得と健康に対する意識の低さが大きな要因と思われます。このままでは、人口の自然減もくわわり、どんどん人口減少が加速していくのではないかと危惧しています。
 一方で、弘前市内には基本健診と各種がん検診が同一日に受けられる医療機関が少ないことも特徴です。短命県の返上には、健康意識を高め、毎年健康診断を受ける習慣を身につけてもらうために、ヘルスプロモーション活動を生協組合員と地域の住民に訴えていきます。

「二次救急機能」 の要求に応えて

 県が策定した青森県地域医療構想によると、津軽地域の施策の柱は、自治体病院などの機能再編による機能分化・連携推進となっています。具体的には弘前市内の急性期2自治体病院を統合し、450床の中核病院を整備する方向です。これにより地域の急性期ベッドが150床程度減少します。
 当院はこれまでも、職員一丸となって二次救急を積極的に受け入れてきました。将来を見通しても、健生病院は地域から「二次救急機能」が求められ、さらには健康診断も積極的にとりくむ必要があると考えます。
 二次救急機能を維持するためには、全職員の団結とチーム医療の推進が欠かせません。これからも健生病院は新たな地で、無差別・平等・公正、地域のニーズに合った医療活動を質高く提供し続けていきたいと考えます。
健生病院事務局長 八島 将仁)

お役立コンテンツ

▲ページTOPへ