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2018年8月15日

民医連事業所のある風景 長野/松本協立病院 リニューアルで病院機能が向上、健康づくり、まちづくりでも、地域になくてはならない病院として存在感を

自然豊かな信州松本平に

 松本協立病院はJR松本駅アルプス口に隣接、西には槍・穂高や常念岳をはじめとする北アルプスや松本平が広がり、東には美ヶ原が見える、自然豊かな土地に位置しています。
 松本市の人口は24万人と決して大きくない地方都市ですが、近隣市街地には信州大学病院や国立まつもと医療センターをはじめ、急性期一般病棟を持つ病院が複数乱立しています。そんななか、「いつでもどこでも だれもが安心してかかれる医療」を理念として掲げ、一貫して無差別・平等の医療を打ち出しながら、地域になくてはならない病院として存在意義を発揮してきました。設立は1981年と比較的歴史は浅いのですが、前身の松本診療所時代から数えると44年目にあたります。

今年5月、病院をリニューアル

 病院開設当初から必要に応じて増改築を繰り返してきましたが、いよいよ医療機能や建物耐久の課題も大きくなり、隣地への新棟建設と古く老朽化していた建物の解体、残す既存建物の改修を、通常診療や入院医療を行いながらリニューアル工事をすすめました。
 駐車場の制限や、外来動線のめまぐるしい変化、入院病棟に響く騒音など、苦労が本当に多かった工事ですが、2年半かかった建築工事もこの5月にようやく竣工しました。ベッド数は変わらず199床。届出入院料は一般入院基本料7対1が142床、ハイケアユニット入院医療管理料8床、地域包括ケア病床49床です。救急告示病院として地域の二次救急輪番を担い、急性期患者を幅広く診ること受け入れること、地域包括病棟を通じて慢性期に移行し在宅や施設につなげること、同法人内の塩尻協立病院や2つの診療所、関連の福祉事業所や在宅関連事業所を生かして、地域の医療福祉サービスにつなげることが大きな役割です。

医師研修、元気です

 当院は2010年から、基幹型臨床研修病院として研修医教育を行ってきています。近年、信州大学総合診療科と共同で、松本協立病院外来での臨床教育企画「みんなの外来」という医学生向けの連続企画を行い、多数の医学生が参加しています。今年度はそこからつながった学生が、当院を初期研修先として選んでくれました。現在初期研修医定員は2名ですが、連続してフルマッチを達成してきたこともあり、来年度からは3名に増やすことが認められています。また「総合診療専門医研修」の基幹施設として認可され、地域に求められる「総合診療医」を養成していく役割を果たしていきます。

地域の健康づくりの拠点として

 2017年11月にHPHネットワークに加盟しました。県内では佐久総合病院、上伊那生協病院に次いで3番目の医療機関です。特徴的なとりくみとして、各地の自治体で行われているJAGES(老年学的医学研究)に松本市も参加することを聞き、中信健康友の会にも同じ内容のアンケートを送って一緒に検証するとりくみをすすめています。
 地域に開かれた催しも多数開催しています。当院小児科を受診していた20歳の女性の絵画展をエントランスで1カ月間開き、メディアを通じ大きな反響を呼びました。また9月には、地域の保育園・幼稚園の先生たち向けに発達障害の講演会を開催する予定で、大きな注目を浴びています。地域の民主団体と一緒に構成する「反貧困ネットワーク・アルプス」を母体に、学習に困難を抱えている子どもむけに毎週の「無料こども塾」や、生活困窮者への支援を行う年2回の「きずな村」は、院内で開催しています。リニューアルして病院としての機能は向上しましたが、それだけでなく、健康づくりやまちづくりの拠点として大いに存在感を発揮していきたいと思います。
松本協立病院 事務長 日高 大地)

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