副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2018年10月16日

副作用モニター情報〈505〉 メラトニン受容体アゴニスト・ラメルテオンによる副作用

 ラメルテオン(商品名:ロゼレム錠)は、メラトニン受容体に作用する睡眠薬として、2010年に発売されました。メラトニン(俗に言う睡眠ホルモン)は、起床時から14~16時間後に脳内で分泌され、その作用によって休息に適した状態に導き、眠気を感じるようになります。加齢により分泌が低下すると言われています。ラメルテオンはこの作用を利用した睡眠薬です。既存の睡眠薬と違い、筋弛緩作用(脱力などを起こしたり、場合によっては転倒・転落につながる)がないのが特徴です。
 ラメルテオンによる副作用は、重篤なものではないですが、以下のような報告があります。

症例1) 80歳代・男性 投与1日目:内服して2時間後位に頭痛、口内~食道にピリピリ感を感じた。3時間後には消失。医師より続行指示あり、数回服用したが、同様の症状が続き、不眠が悪化したため中止。
症例2) 50歳代・女性 他剤効果なくラメルテオンに変更。変更後2カ月ほどで、片頭痛が起こるようになってきた。本人、薬剤のせいと思い自己中止した。
症例3) 80歳代・女性 不眠のため、ゾルピデムとラメルテオンが処方された。服用開始2日後から、皮疹出現。直ちに服用を中止し、オロパタジン(抗アレルギー薬)内服。症状改善。翌日、DLSTを実施し、ラメルテオンが陽性反応を示したため、原因薬剤と判断した。
症例4) 70歳代・男性 不眠に対してラメルテオンが処方され、初回服用の翌日、朝から眠っているような状態で頭が働かず、何も手につかなかった。1回だけ飲んで、自己判断で中止。
症例5) 40歳代・女性 ラメルテオン服用後、開始3日目に嘔気があり、自己中止した。

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 以上のように、ラメルテオンには、さまざまな自覚症状が報告されています。添付文書の副作用欄の0.1~5%の範囲に、めまい・頭痛・眠気・発疹・便秘・悪心・倦怠感が記載されています。民医連での副作用も、このようなケースが多いようです。

(民医連新聞 第1678号 2018年10月15日)

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