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2018年11月15日

民医連事業所のある風景 愛媛生協病院 組合員・地域住民とともに ノーマライゼーション社会をめざして

日本で一番小さな臨床研修病院

 愛媛生協病院は、1986年4月、旧診療所を新築移転する形で、松山市来住町にオープンしました。当時、病院周辺は田んぼが広がる地域で、農家が主体、所々に新しい住宅が建ちはじめた場所でした。開院時は内科・外科のみで出発しました。
 地域住民にとっては「いつでも、どこでも、誰でも、安心して医療が受けられる」という病院を要求する声が強く、夜間・休日や救急医療に積極的にかかわる必要があることから、1986年9月に「救急告示」を行い、その実績から同年11月には松山市の「救急輪番制病院」に編入されることになりました。
 開院2年後の1988年6月に小児科を開設、有田院長の専門分野がぜんそくや食物アレルギーなどのアレルギー疾患であったため、県内だけでなく県外からも患者が来院する状況でした。
 1990年9月に整形外科を開設、1992年6月に救急用として20床の増床が認められました。労働者の健康を守る活動にも力を注ぎ、労災・職業病、振動病やじん肺の治療にも力を入れました。
 2004年から新卒医師の初期臨床研修が義務化され、基幹型臨床研修病院の指定をうけ日本で一番小さな臨床研修病院となり、組合員とともに地域まるごと診れる医師養成を行っています。
 2009年には精神科を常設、2011年1月から「無料低額診療事業」を開始し、現在では松山市内でともにとりくんでいる済生会松山病院と定期懇談をもち、情報共有をしながらすすめています。
 2013年4月に新館を設立し、精神科デイケア、メディカルフィットネス、院内保育所、病児病後児保育、ショートステイを開始しました。現在は、急性期一般病棟44床・地域包括ケア病棟44床の運用を行っています。

認知症に優しい病院づくり

 2017年度には「認知症に優しい病院づくり」をめざし、にじいろカフェ(認知症カフェ)をたちあげました。認知症の方やご家族の方、地域であまり話をする機会のない方などが、月に一度ですが院内1階のコミュニティカフェに集まっています。組合員手づくりのおいしいお菓子と飲み物で、昭和の歌謡曲を歌い、脳の活性化体操などで、ゆったりとした時間をすごしてもらっています。
 精神科では、もの忘れ外来をスタートしました。認知症サポーター養成講座には職員190人が参加、認知症対応にも積極的にとりくんでいます。

組合員との協力・共同のとりくみ

 医療生協の病院として、共同組織の方がたとの共同をすすめるために、支部と部署でのマッチングをすすめています。まだまだ弱い部分もありますが、組合員の方がたの元気ある活動に引っ張ってもらいながら、にじいろカフェ、健康フェスタや生協農園の収穫祭、ときめき健康チャレンジ、キッズチャレンジなどにともにとりくみ、地域包括ケアをめざし前進できるよう力を入れています。
 当院は、地域組合員が出資・運営・利用する病院です。組合員・地域住民とともに「健康・安心・協同のまちづくり」をすすめる視点から、医療・福祉活動をすすめ、無差別・平等の医療を追求し、ノーマライゼーションを実現できる地域社会づくりをめざしていきます。
愛媛生協病院 事務長 大西 壽美子)

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