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2018年12月14日

民医連事業所のある風景 山梨/特別養護老人ホームいけだの里 地域の新たな層と共にすすめるまちづくり

山梨民医連初めての特養建設へ

 特別養護老人ホームいけだの里は、2018年3月31日に山梨民医連初めての特養として開設しました。「みんなの力でみんなの特養を作ろう」と友の会の方々が中心となり、「いけだの里」を支援する会が発足しました。建設の意義と寄付金協力を訴え、1900人以上の方から3000万円を上回る寄付をいただきました。こうしてつながった地域との絆は、今では私たちの活動の礎であり宝物です。

「生きる力を支える介護」 をめざして

 私たちは、介護とは尊厳を護り、生活を作っていくことだと考えています。オムツに頼らない暮らし、家庭と同じような普通のお風呂に入り、あたたかい食事をとる。そんな当たり前の暮らしを送っていただくために、多職種がそれぞれの専門性を持ち寄り、その方の生きる力を支えています。いけだの里では、生活リハビリに積極的にとりくみ、車イスに座ったまま一日をすごすのではなく、「立つ・座る」という動作を食事・排泄・入浴のなかで一日40回以上行っています。そうすることで、最期までトイレで排泄ができ、家庭と同じようなお風呂に入ることができます。

複合型センターとしての連携

 私たちは医療と介護を一つのものとして考え、連携を深め、できるだけ最期まで自宅で暮らしていけるような支援を行っています。共立介護福祉センターいけだは特別養護老人ホームのほかにも、看護小規模多機能型居宅介護、訪問看護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護など24時間365日の在宅生活を支えるサービスを行っています。「特養に入居したから、もう家には帰れない」ではなく、「最期は住み慣れた、思い出がたくさんつまった家ですごしたい」という希望にも、応えることができます。入居してからの生活、最期をどのように迎えるのか、ご本人、ご家族の意見を尊重し、思いに寄り添える施設作りをめざします。

地域の活動拠点・まちづくりの活動

 やまなし勤労者福祉会では今年度より「まちづくり部」を設置し、各事業所ごとに特色を持ったまちづくりをすすめようと活動をはじめました。いけだの里では、約90平方メートルの地域交流スペースを設け、「地元老人クラブのカラオケサロン」や友の会のサークル活動、自治会の会議、障害者団体やさまざまな団体の会議や集会などに利用されています。また、子ども食堂を各地で展開しているNPO法人からの声かけで、この地域の子どもたちに何か支援ができないかと、さまざまな個人、団体が集まり、子ども支援プロジェクト(いけちゃん家プロジェクト)が発足しました。地域の子どもの居場所づくりの一環として「放課後おやつ作り体験」や「子どもフェスティバル」を開催しています。地域に飛び込み、巻きこまれることで、SDHの視点で地域の内側から共に生活ニーズを発見し、地域に必要な社会資源の一つとなる。そこでできた地域の新たな層とのつながり、HPH活動を展開し、誰もが安心して暮らし続けられるまちづくりをともにすすめていくことで、新たな共同組織の発展につながっていくと信じています。
特別養護老人ホームいけだの里  施設長  横内  俊洋)

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