声明・見解

2020年3月11日

【声明2020.03.11】人権の制約につながる新型インフルエンザ等対策特別措置法改定の閣議決定に強く抗議する

2020年3月11日
全日本民主医療機関連合会
増田 剛

 政府は新型コロナウイルス感染症を、新型インフルエンザ等対策特別措置法に適用させる改定案を閣議決定し、3月13日にも成立させようとしている。
 この法案は、新型コロナウイルス感染症の広がりと国民の不安に乗じて、緊急事態を宣言し、首相に権限を集中させ、広く人権を制約する改定であり、きわめて危険な法案である。安倍首相自身が「国民の私権を制約する可能性もある」(3/9参院予算委員会)と述べているように、権力の暴走に歯止めがかからない事態が懸念される。

 首相が緊急事態宣言を発令すれば、①外出の自粛、②学校や保育所の使用制限・停止、③多くの人が集まる施設の使用、イベント開催の制限・停止、④医薬品や食品の生産・販売・輸送業者らへの売り渡し要請・収用、⑤鉄道や日本郵便への緊急物資の運送要請、⑥臨時の医療施設の開設、土地家屋の強制使用が、罰則などの強制力を伴う措置として人権制約が可能となる。しかも感染拡大が終息したとしても宣言が解除されなければ、2年間、人権制限する事態が続くことになりかねない。
 また特措法の発令要件は、①国民の生命・健康に著しく重大な被害を与えるおそれがある②全国的かつ急速なまん延により国民生活・経済に甚大な影響を及ぼし、またはそのおそれがあるの2点とされ、特措法施行令では、重篤な症例の発生頻度が季節性インフルエンザより「相当程度高い」ことや、感染経路が特定できない場合などを挙げているが、明確な基準はなく、きわめてあいまいな発令要件となっている。

 いま求められるのは「特措法」改定ではなく、休校などによる子どもたちへの影響や、雇用・地域経済など国民生活へのきめ細かな対応、感染症拡大に対峙する専門家や医療・介護の現場の声を対策に反映させることを、政治の責任で行うことである。これは民主的で迅速な国会運営さえすれば、こと足りるものである。対策会議専門家委員会にも諮らず、所管の大臣の意見も聞かず、小中高等学校の臨時休校を首相個人の「政治判断」とするような首相に大きな権限を与えることを許してはならない。
 私たち全日本民医連は、人権の制約につながる「特措法」改定案に反対し、全ての国会議員に、慎重かつ徹底した議論を求める。

以上

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