民医連新聞

2020年3月17日

新型コロナウイルス感染症 感染拡大、マスク不足、一斉休校… 各地で懸命の対応

 新型コロナウイルス感染が拡大しています。医療や介護の現場では、マスクや消毒剤などの衛生材料が不足。安倍首相の休校要請に伴い、子どもがいる職員への対応も始まっています。全日本民医連は2月29日、新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長‥増田剛会長)を立ち上げ、対策を政府に申し入れるなどしています。

 「マスクの在庫がない。ガーゼの入荷も厳しい」「特養ホームは面会禁止。長引くと利用者のストレスになり、心配」「心配した家族がデイの利用を控えたいと希望。長期になると事業の存続にもかかわる」…。全日本民医連が3月3日から始めた「新型コロナウイルス感染症に関する介護・福祉事業所アンケート」には、患者・利用者と職員を守ろうと奮闘する現場の様子がつづられています。

■デイサービス休業要請に対応

 名古屋市は3月6日、感染ルートが不明な患者が発生している南区と緑区の高齢者向けデイサービス施設計126カ所に対し、2週間の休業を要請しました。利用者は約5800人にのぼります。
 対象地域に1カ所のデイサービス施設がある名南会では、デイサービスの利用者約30人のうち、サービス継続を希望する人を法人内のデイケア(休業対象外)で受け入れることにしました。法人の介護部長・後藤正美さんは、「少人数だったので対応できましたが、できない事業所もあると聞いています。訪問ヘルパーで対応をと言われていますが、全てには手が回らず、独居の高齢者などが取り残されるのでは」と懸念します。

■職員の子どもの受け入れも

 2月27日、安倍首相は突然、全国一律に小中高校の休校を要請しました。子育て中の職員も多い医療・介護現場。子どもがいる職員が出勤できず、診療の一部を休止する医療機関も出ています。
 全国の民医連の事業所では、病院や法人で子どもたちを預かるなどの対応を始めています。鳥取医療生協は、すぐに各事業所で該当する職員の人数を把握。法人全体で20人以上になることから、臨時の託児所を設置し、3月2日から預かりを始めました。「現場で欠員が出ると医療や介護の継続ができなくなります。患者・利用者さんを守り、子どもたちの安心・安全を守るために始めました」と専務理事の林憲治さんは言います。
 連日、10~15人程度が利用。弁当やマスクなどを法人で用意し、教員免許を持つ人に来てもらい、給与も支払っています。
 初日に、「助かった!」と預けに来たのは、シングルで子育てをしている看護師。小学生2人を預けた共働きの職員は、「祖父母に預けたもののストレスがたまり、集団で学習や遊びができる託児所の利用を始めた」と言います。
 鳥取民医連は県に対し、独自の努力への財政支援や、感染が疑われる職員が休職する場合の財政支援なども要請しています。
 青森保健生協は2日から小中学生の受け入れを開始。毎日5人程度の子どもたちが通い、元教員の組合員らが見守ります。組織部の福士学さんは、「現場の看護師から不安の声があがり、対応しています。休校がいつまで続くかわからず心配」と話していました。

■医療従事者の感染を防ぐには

 全日本民医連は3月7日の四役会議に聖路加国際病院の上原由紀医師を招いて学習会をしました。上原さんは、診察した医師の感想として、「インフルエンザと比べて強い倦怠感が特徴」と紹介。くしゃみや咳が出やすい検査時に医療従事者が感染するリスクも高く、「N95マスクとゴーグルなどでの目の防護、ひじまで覆う手袋などが必須だ」と指摘しました。
 対策本部では、厚労省などの通知を現場に知らせ、政府に対し、全ての人への医療の保障、医療・介護現場への衛生材料の提供と体制保障、そのための財源の確保などを求めています。


資格証明書でも医療が受けられるように

厚労省通達の周知と短期証発行を

 厚生労働省は2月28日、帰国者・接触者外来を資格証明書の人が受診した場合、「資格証明書を被保険者証としてみなして取り扱うこと」を通達で示しました。
 全日本民医連が毎年実施している「手遅れ死亡事例調査」では、高すぎる保険料を納付できず資格証明書となり、窓口での全額自己負担ができずに受診が遅れ、手遅れとなる事例が頻発しています。資格証明書の世帯が厚労省通達を知らずに我慢することのないよう、通達の内容を一刻も早く自治体の責任で知らせるとともに、感染防止のためにも必要な人がすぐに受診できるよう保険証があることが大事です。
 過去にも、2009年の新型インフルエンザ流行の際、独自の判断で資格証明書交付世帯に短期保険証を交付した自治体があります。各県連で自治体に対し、資格証明書交付世帯への短期保険証の発行を求める請願をすすめましょう。(全日本民医連通達第ア-007号参照)


愛知・南生協病院を激励

 愛知・南生協病院では、地域での集団発生を端緒とした患者の入院が明らかになり、一般外来・救急外来は一時閉鎖など医療機能を停止しました。3月9日から一般外来を再開し、救急・入院再開の準備をすすめています。
 10日、愛知民医連の早川純午会長が長江浩幸院長に、全国からの激励メッセージを届けました。

(民医連新聞 第1712号 2020年3月16日)

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