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2020年3月16日

民医連事業所のある風景 千葉/市川市民診療所 地域に頼られる民医連診療所になるために

保険証がなくても同じ料金で診察します

 市川市民診療所は千葉民医連の事業所のなかでは一番西側に位置しており、近くを流れている江戸川を越えれば、お隣は東京都です。1959年、社会も医療も貧困な時代に看護師だった鈴木きのさんが自宅を提供し、「保険証がなくても同じ料金で診察します」とお金のあるなしにかかわらず、差別のない医療を提供することをモットーとしてスタートしました。在宅に看護師が泊まり込み、その実践から訪問看護を診療報酬で認めさせる活動の中心にもなった診療所。開設から60年以上の時が経過しました。

四半世紀、この地で医療活動を

 現在の地に1995年に移転してきましたが、約25年の歳月が経過して建物もかなり古びてきました。ですが、診療所では0歳の赤ちゃんの予防接種や乳児健診、近隣の保育園6カ所の園医を引き受け、100歳のお年寄りまで訪問診療を行い、はたまた夜間外来でも企業健診を受け、「求められることは何でもとりくもう」という姿勢で医療活動を展開しています。
 当診療所で重要課題としてとりくんでいるのは、まず1つは小児分野です。先に述べたように地域の保育園の園医として活動するなかで、「この地域の子どもたちの健康は診療所で引き受けよう」と。
 また、隣の市にある民医連診療所と連携して強化型在宅支援診療所を取得し、24時間体制で往診患者様の急変時の対応や看取りも行い、同じ建物内に同居する居宅介護支援事業所と訪問看護ステーションとも協力しながら、三方向から患者さんのフォローにとりくんでいます。
 もう1つの特徴として企業健診も重視しています。とりわけ建設・解体業者の企業健診が多く、時間帯としては仕事終わりの夜間外来でもお受けします。企業によっては夜中に働くため、健診を受けてから現場に出向いて仕事をするという企業もあります。ある企業の社長から、「うちみたいな零細は昼間職員を休ませて健診に行かせる余裕がなくてね。こうやって仕事終わりにやってもらって本当に助かっていますよ!」という言葉をいただいたこともありました。

頼られる民医連診療所を職員一丸となって

 当診療所は昨年4月に10年間所長を続けてきた医師からバトンタッチして30代前半の所長が就任しました。新所長は着任してからまだ1年しか経過しておりません。ですが、前所長のフォローも受けながらアクティブに診療業務を行い、総合診療内科医として日々研鑽を積んでいます。地域の医師会からも医師会業務の依頼をかなり受けるようになってきました。
 建物は古くなりましたが、友の会の会員さん、患者さんにも支えられ、市川市にたった1つしかない民医連診療所の灯をともし続けるために、職員一丸となってがんばっていきたいと思います。
 この1年、全国の仲間とともに学んできた民医連の綱領と歴史。「なんのために、誰のために」。
市川市民診療所 事務長 郷野 仁)

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