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2020年11月16日

民医連事業所のある風景 千葉/南浜診療所 家庭医として地域の健康をまもる診療所

このまちにお医者さんが必要だ

 南浜診療所は、もともとは都疎浜という、戦争中に東京都から強制疎開で移住してきた船橋市南部の地域にありました。住民は何もない厳しい生活のなかで、安心して暮らしていけるまちをつくるため「このまちにお医者さんが必要だ」と運動し、それを受けて戦後まもない1948年に都疎浜診療所として建設されました。
 最初は所長の野村賢一医師が昼間の病院と掛け持ちしていて、午後7時から夜間のみの診療所として出発しました。1955年には昼間から診療できるようになり、翌年、千葉民医連に3番目に加盟しました。職員は公私を分かたず奮闘し、民医連の原点である生活と労働の場から病気を見る医療の実践により、地域の信頼を集め、1962年には25床の南浜病院となりました。
 その後無床診療所に戻りましたが、1987年に新築移転と透析医療を開始し、医療活動を広げるとともに経営を安定させました。
 友の会は1976年結成されました。そのなかで「小さな手の会」は、在宅患者が外出するのが難しかった1980年ごろから、お茶会やお花見などの活動をしていました。それは、居場所づくりの活動として受け継がれ、近年はお食事会として役割を発揮しています。新型コロナ感染拡大の影響で、集まって食べることができなくなってしまいましたが、違う形ででも継続していきたいと考えています。

困っている人に寄り添う

 毎週火曜日に気になる患者さんカンファレンスを全職種参加で行い、情報を共有しています。常勤のSW1人がいるのも特色です。船橋市南部は歴史的に困難な方が多い地区で、地域の包括支援センターなどとも連携し、相談業務を行っています。
 無料低額診療事業は2010年から始めていますが、最近は市役所から「お金がない人がいるのだがそちらで見てもらえないか」と依頼がかかることもしばしばです。

高齢者と子育て世代への支援

 2008年に着任した松岡角英所長が創設した「ふさのくに家庭医療センター」の教育診療所として、多くの研修医の受け入れを行っています。小児科医療から在宅医療まで、また漢方もつかえる家庭医の育成に力を入れています。
 現在は、診療所、薬局、訪問看護ステーション、デイサービスセンター、在宅介護支援センターが南浜グループとして連携をとりながら、外来・透析・在宅医療を展開しています。今後、少子高齢化社会への対応として、高齢者と子育て世代への支援を強めていきたいことと、慢性疾患管理の充実を図っていきたいと思います。
 外来では新型コロナの影響は大きく、初診の方が半減するなど患者数が大きく減ってしまいました。今後増えると思われる発熱や倦怠感などの方の診療では、十分に感染予防対策を取ったうえで、きちんと検査をし、患者さんの不安な気持ちに寄り添うことで、地域に信頼される診療所として引き続きがんばります。
南浜診療所 事務長 鹿毛 まさみ)

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