副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2022年1月18日

副作用モニター情報〈567〉 新型コロナワクチンの副反応

 新型コロナワクチン(商品名:コミナティ筋注)について、2021年8~10月の3カ月間に17例の副反応の報告がありましたので紹介します。
 副反応のあった人の年齢は20代1人、40代1人、50代1人、60代2人、70代8人、80代4人。性別は男性4人、女性13人。1回目接種10人、2回目接種5人、1、2回とも発症2人。グレード分類では軽症4例、中等症9例、重症4例で、外来処置のみが9例、入院加療8例でした。

〈添付文書に記載のある副反応〉
・紅斑、中毒疹9例 発症2時間~7日、 回復1日~19日
・吐き気を伴うもの4例(入院3例) 発症数時間~1日、回復2日~10日
・持続する発熱4例 発症1時間~1日、回復1日~19日
・アナフィラキシー1例 発症20分、入院加療、回復4日
〈添付文書に記載のない副反応〉
・急性心外膜炎 発症7日目、入院加療、25日軽快退院
・たこつぼ心筋症に起因する横紋筋融解症 発症9日、入院加療にて26日で軽快退院
・腸閉塞 発症1日、入院加療、8日未回復
・腎盂(じんう)腎炎 発症1日(精神科入院中)、2日目内科に転院、未回復
・帯状疱疹(ほうしん) 発症5日目、めまい、嘔気出現のため入院加療、15日改善で退院
・帯状疱疹再燃 臀部膿痂疹(でんぶのうかしん)治療中で安定していたが翌日再燃、加療にて16日改善

 皮疹がもっとも多く9例で、重症度も中等症~重度と高いですが、2~3週間で改善しています。吐き気が持続する症例は重症度が高く、飲水も不可となり入院加療が必要となっています。帯状疱疹が悪化した症例が2例発症しました。ワクチン接種後一過性のリンパ球減少により帯状疱疹を発症している症例の報告が海外でもあり、再燃した可能性も否定できません。また心外膜炎、心筋症に起因する副反応も2例報告されています。
 DLST(薬剤リンパ球刺激試験)を実施した症例は4例で、いずれも陰性の結果でしたが、ブリックテストで陽性となった症例もあります。3回目の接種も始まりました。特にハイリスク患者では対応の遅れで深刻な経過をたどることもあり、注意が必要です。
(全日本民医連医薬品評価作業委員会)

(民医連新聞 第1752号 2022年1月17日)

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