民医連新聞

2022年6月7日

憲法カフェ ぷち⑤ 改憲4項目と「抱き合わせ販売」

 昭和の終わりごろ、テレビゲーム業界では、人気ソフトは不人気のソフトとセットでしか売らないという販売手法が横行しました。これは抱き合わせ販売と呼ばれ違法です。ところで自民党の改憲議論においても「抱き合わせ販売」が見られます。
 自民党の改憲4項目の中には前回までに取り上げた「9条改正」「緊急事態条項」などの物騒なもの以外にも、誰もが喜ぶであろう「教育環境の整備」というのがあります。報道では教育の無償化のことだと言われています。
 しかし「教育環境の整備」は他の改憲項目とは全く関係がなく、本来いっしょに検討すべきものではありません。義務教育の無償は既に憲法に明記されていますし、それ以外の無償化についても法改正だけで実現できる内容ですから、改憲の本命でないことは明らかです。これは、「教育を無償化してほしかったら改憲全部に賛成しろ」という「抱き合わせ販売」なのです。
 そのうえ、改憲条項案には「各個人の経済的理由にかかわらず教育を受ける機会を確保することを含め、教育環境の整備に努めなければならない」と記載するのみです。「無償化」とは書いていませんし、「努める」だけで結果はなんら保障されません。
 このような不当な改憲案に付き合ってはいけません。(明日の自由を守る若手弁護士の会)

(民医連新聞 第1761号 2022年6月6日)

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