声明・見解

2022年6月8日

【声明2022.06.06】泊原発運転差し止めを命じる札幌地裁判決を歓迎し、すべての原発の停止を強く求める

2022年6月6日
全日本民主医療機関連合会
会長 増田 剛

 5月31日札幌地裁は、北海道内の住民1,201人が北海道電力泊原子力発電所はその安全性に問題があるとして、運転差し止めと廃炉を求めた訴訟の第1審判決において、「泊発電所は、現在設置されている防波堤について、(中略)津波に対する安全性を欠いているから、(中略)その運転によって周辺住民の人格権(生命・身体)を侵害するおそれを有する」として、全3機の運転の差し止め請求を認めた。
 福島第一原発事故の原因となった津波、その津波に対する対策が不十分であるという理由で運転の差し止めを命じるのは今回が初めてである。

 提訴から10年以上が経過したが、これだけの期間を要してもなお、原発の安全性について十分な資料による裏付け・立証を尽くさなかった北海道電力に原発を運転する資格や能力はない。

 全日本民医連はこの札幌地裁判決を歓迎し、現在稼働している原発の停止および再稼働申請が出されている原発の再稼働の中止を強く求める。

 岸田政権はウクライナ危機下でのエネルギー安定供給を口実に、原発を最大限に活用する方針を打ち出し、今後再稼働を加速させるおそれがある。しかし、福島第一原発事故は事故後11年が経った今も、住民は生活を奪われたまま、廃炉作業は難航し、放射能汚染水は増え続け、制御できない非常事態が続いている。ひとたび原発事故が発生すればその収束が困難であることは明らかであり、このような状況の中で原発を活用するなど論外である。全日本民医連は、原発事故被害者に寄り添い、引き続き幅広い人びとと連帯し、原発再稼働反対、原発ゼロ・再生可能エネルギーへの転換を求めるとりくみを強めていく決意である。

以上

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