声明・見解

2022年7月13日

【要請書2022.07.12】「看護職員等処遇改善事業」についての緊急要望

2022年7月12日

内閣総理大臣 岸田 文雄 様
厚生労働大臣 後藤 茂之 様

全日本民主医療機関連合会
会長 増田 剛

 2021年11月19日に閣議決定された「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」に基づき、2022年2月~9月には対象病院の看護職員等の賃金を月額4,000円引き上げる為の補助金が交付され、10月以降は診療報酬への加算で看護職員等の賃金を3%程度(月額平均12,000円相当)引き上げるとされている。
 医療労働者の賃金の引き上げは重要であるが、今回の措置は対象病院や対象職種が限定されていることなどから、多くの医療機関が対応に苦慮する、矛盾に満ちた施策であると言わざるを得ない。医療機関に混乱と不団結を生む今回の措置は、処遇改善の主旨に照らして抜本的に見直すべきである。
 しかし、すでに入院・外来医療等の調査・評価分科会にて診療報酬への加算のあり方の具体案が検討されている状況も踏まえ、加算分の配分について複数事業所を持つ法人での柔軟な運用を認めるべきである。すなわち、複数以上の事業所を持つ法人では、実質的に賃金体系が2本立てとなっており、事業所間での賃金格差が4,000円から12,000円へと拡大することとなる。このことは、看護職員等の人事異動や採用での矛盾、看護職員等間で不満や不団結を拡大することは明らかである。多くの医療機関は経営困難を抱えており、法人内全ての事業所職員等の加算・補助金なしでのベースアップは容易ではない。すでに、矛盾と混乱を生む補助金や加算を受け取らないとしている病院もある。
 コロナ禍で奮闘してきた看護職員等の処遇改善という主旨に沿って、以下の対応を強く要望する。

【要望事項】
 今回の施策において処遇改善の対象となる職種は看護職員(看護師・准看護師・保健師・助産師)以外にも医療機関の判断により、対象医療機関で働く看護補助者や理学療法士・作業療法士等のコメディカルの賃金に充てることが可能とされているが、対象医療機関以外の事業所で働く看護職員等には分配できないとされている。
 10月以降の加算収入分について医療機関(法人)の判断により、対象外事業所看護職員等の処遇改善に充てることができるよう柔軟な運用を認めること。

以上

PDF

お役立コンテンツ

▲ページTOPへ