民医連新聞

2022年7月19日

診察室から 地域、多職種と「独りではない」医療を

 大分健生病院は130床の病院です。訪問診療は病院管理の患者が約160人、法人内のクリニック管理の患者が約350人。訪問診療は曜日ごとに数人の医師が担当し、外来や病棟診療と並行しています。外来は内科、小児科、皮膚科、外科、整形外科、総合診療科を設置し、日々150人程度が受診します。夜間や休日でも、軽いやけどやじん麻疹、切創や打撲などの受診があります。
 当院では2015年度から外科の手術体制がなくなったこともあり、大病院への紹介が必要となる症例が増えました。しかし、「消化管内視鏡検査やCT検査を行える地域の総合病院」なので、開業医からの紹介の機会も多数。もちろん、大病院から治療後の管理を依頼されることもあり、訪問診療をはじめ、病棟や外来はとても幅ひろい役割を担っています。
 だから常に、「当院でどこまで診療できるか」を考えさせられます。疾患や病態、患者背景を総合して治療方針が決まりますが、看護師、リハビリスタッフ、事務、薬剤師、相談員などとのミニ会議を経て、診療の場を決定することも多いのです。後に反省することも多々ありますが、現場でスタッフとともに悩み考えた結果なので、独りで落ち込み過ぎず前向きに改善策を検討しています。そうしたとりくみ、というか「もがき」をくり返していくなかで、チーム感、もしくは話しやすい雰囲気がつくられたのか、治療経過改善につながるような提案や相談が増えてきたように感じています。
 たとえば、事前指示がない状態変化でも、担当者が必要と感じたら報告する。報告があったら、まず感謝を伝える。その報告がどれだけ助けになったか、フィードバックする。こんなことでチーム感が増してきたりしました。
 日々のなかで、ルーチン以外の業務があると大変ですが、独りではないという安心感、所属感があるから、乗り越えられることもあります。これからもそんなふうに、周囲のメンバーに頼りながら、地域医療を続けていきます。(二階堂恒星、大分健生病院)

(民医連新聞 第1764号 2022年7月18日)

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