声明・見解

2022年7月25日

【声明2022.07.25】安倍元首相の国葬に反対し、閣議決定の撤回を求める

2022年7月25日
全日本民主医療機関連合会
会 長 増田 剛

 2022年7月22日に岸田内閣は、7月8日に亡くなった安倍元首相の国葬を行うことを閣議決定した。野党や国民から国葬を疑問視する声や国葬に反対する声があがるなかそれらを無視し、国会で議論することもせず一方的に決定した。
 全日本民医連は安倍元首相の国葬に反対し、閣議決定の撤回を求める。

 かつて日本には国葬令が存在していたが、政教分離や思想良心の自由等を保障する日本国憲法が制定されたことを機に失効しており、したがって国葬を実施する法的根拠はない。法的根拠のないものを、国会での議論なく強行することは民主主義の否定である。

 岸田首相は、安倍氏の国葬を行う理由に、首相在任期間が最長だったことを挙げその功績は素晴らしいものであったと讃えた。しかし、安倍政権下では、アベノミクスによって貧困と格差が深刻化し、安保法制の強行採決、集団的自衛権の容認、公文書改ざんといった民主主義の破壊、「桜を見る会」や「森友学園」「加計学園」に象徴される政治の私物化が行われ、多くの国民から疑惑の目が向けられ、批判が集中した。

 したがって、安倍氏に対する評価は人それぞれ異なり、安倍氏に対して弔意を示すか否か、どのように示すかは個人の自由である。しかし、国葬となれば安倍氏への弔意を国民に強制することにつながるおそれがあり、思想良心の自由を保障する日本国憲法の趣旨に反する。

 また、国葬は全額国費負担で行われる。コロナ禍において貧困が加速し、物価高により国民生活が圧迫されるなか、一政党に属する一国会議員の葬儀に巨額が投入されることはあってはならない。

 一方的な暴力によって命を奪われた安倍元首相に哀悼の意を表するとともに、安倍氏を神格化し、安倍政治を全肯定することにもつながりかねない国葬の実施に断固反対する。

以上

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