民医連新聞

2022年11月22日

憲法カフェ ぷち⑯ あるあるな「憲法古い」論②

 「日本の憲法は古いから変えるべき」というご意見に対する検討の2回目です。
 2005年に、アメリカワシントン大学のデービット・ロー教授らが、世界の188カ国の憲法を調査し、多くの憲法で保障される人権をランキングにしたところ、第1位(信教の自由)から第19位(生存権)までをすべてそろえた憲法は、日本国憲法だけであった、ということです(2012年朝日新聞)。つまり日本の憲法は、持っていてあたりまえの人権を一通りそろえた世界最先端の憲法、ということなのです。それなら、変える必要はないですよね。
 そもそも、古いから変えるというのは、ちょっとおかしな話です。だって、例えば家が古くなって建て替えるときだって、家が古いことで「隙間風や耐震性に問題があるから」変えるわけですよね。つまり、古いから変える、というのは、本当に変えたい理由を隠してしまう理窟なのです。古いからどういう点で困っているのか、その困っていることは法律で解決できないのか、などの点を考慮して、憲法を変えなければ実現できないような課題が生じたときに初めて、憲法を変えて実現するべきか、憲法を変えないで別な方法を考えるべきか問われるのです。(明日の自由を守る若手弁護士の会)

(民医連新聞 第1772号 2022年11月21日)

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