声明・見解

2022年12月9日

【要請書2022.11.30】「国はパンデミックの中で看護職を目指す学生の学業と生活の保障を」看護職を目指す学生への緊急支援給付金の支給と、看護学生を対象とした給付型奨学金の創設を求める要請書

2022年11月30日

内閣総理大臣 岸田文雄 様
文部科学大臣 永岡桂子 様
厚生労働大臣 加藤勝信 様

全日本民主医療機関連合会
会長 増田 剛

 国民の生命と暮らしを守る貴職のご尽力に敬意を表します。
 さて、わたしたちは看護師不足という状況が慢性的に続く中、コロナパンデミックの中でも志高く看護職を目指している学生の環境改善を求めて、2020年から全国の看護学生に向けてアンケート調査をお願いして実態と声を可視化してきました。今般3回目の調査を行ったところ、仕送りの金額が月額2万円未満しかないという学生が前回二回の調査よりも20%増加、奨学金の返済に不安があると答えた学生が半数から7割に増えています。アルバイト無しでは生活も出来ないという現実にありながら、看護職養成には不可欠である実習の時期は感染対策のためにアルバイトが出来ず、更に学生を追いつめています。学生時代の全てをコロナ禍で過ごしている看護学生の置かれている過酷な実情が浮き彫りとなっています。
 この間、昨年度に引き続く給付金の支給など政府の対応を求めてまいりましたが、今年度は「これまでとは状況が異なる」との理由で「学生等の学びを継続するための緊急給付金」は措置されていません。世間では行動制限が緩和されていますが、看護学生の実習受入についての条件や、受験を控えた学生の生活様式は行動制限が発出されている時と変わりありません。度重なる物価高騰の影響も受け、学生の状況は改善されているどころか、更に苦しくなっています。
 看護職を目指す学生を増やし育てていく為に、高等教育の無償化など学生がお金の心配をせず学業に専念できる環境を作ること、看護職を目指す全ての学生に給付型奨学金を支給することを要請します。

[要請事項]

  1. 「学生等の学びを継続するための緊急給付金」について、今年度の速やかな支給対応を求めます。そしてすべての学生を支給対象者とすることを求めます。
  2. 慢性的な看護職不足を解消する為にも、看護職を目指す全ての学生を対象とした給付型奨学金の創設を早急に検討することを求めます。
  3. 国際人権規約第13条【教育に対する権利】を誠実に履行し、国の教育予算を増やし、高等教育無償化、看護職養成所への補助金の拡充を政策化し、お金の心配なく誰もが平等に学ぶことができる教育制度への転換を求めます。

以上

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