民医連新聞

2023年1月24日

憲法カフェ ぷち⑱ 防衛費大幅増で生存権侵害の危険

 2022年12月16日、政府は、5年間で約43兆円もの莫大な防衛費をつぎ込む国家安全保障戦略などを定めた「安保3文書」を閣議決定しました。敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有を認めるといった日本の安全保障政策の大転換です。大軍拡実現のために必要な予算は、年間にして約5兆円の大幅増(GDP比約1→2%)となります。
 当然ですが、国家予算は限られていますので、防衛費の倍増は国民生活にしわ寄せが来ます。もっとも削られやすいのが医療や介護などの社会保障費、教育関係費でしょう。さらには増税論もあります。
 そもそも5兆円があれば、教育費の全面無償化、年金額の増額、医療費の自己負担額の軽減、消費税率の引き下げなど、より私たちの生活そのものを豊かにすることができます。防衛費を捻出するために足元の生活をないがしろにすることは、私たちの「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(憲法25条1項)を侵害することにつながっていくのではないでしょうか。
 防衛費の増大が国民の生活をつぶすことにならないよう、私たちは政府の動きを常に監視していく必要があると思います。(明日の自由を守る若手弁護士の会)

(民医連新聞 第1775号 2023年1月23日)

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