声明・見解

2023年3月2日

【声明】戦後最悪の大軍拡予算、2023年度予算案に抗議し、国民のいのち、暮らし最優先の予算編成を強く求める

2023年3月1日
全日本民主医療機関連合会
会長 増田剛

 2023年度予算案が2月28日、衆院本会議で自民、公明両党の賛成多数で可決した。日本が国是としてきた専守防衛を投げ捨て、憲法違反の敵基地攻撃能力の保有、戦後最悪の大軍拡を進める一方、厳しい国民生活をないがしろにしたこの予算案に強く抗議する。
 この予算案には、長射程ミサイルのトマホークなどの大量購入・開発が盛り込まれている。これは、集団的自衛権を可能とした憲法違反の安保法制のもとで、アメリカの戦争に巻き込まれ、日本が攻撃を受けることになりかねない、極めて危険な道に突き進むものである。さらに、他国を直接攻撃することが可能な武器を保有することで、地域の緊張を高め、際限のない軍拡競争に陥りかねない。憲法違反の敵基地攻撃能力保有は、直ちに撤回すべきである。
 岸田首相は、国民へのまともな説明も、信を問うこともないままに、5年で43兆円もの大軍拡を閣議決定した。国会での審議も行わないまま、アメリカのバイデン大統領との会談で軍事費の2倍化を約束した。さらには、その財源として、被災地の復興のための復興特別税や、法律で医療や年金の財源とされている国公立病院機構や地域医療機能推進機構の積立金を転用しようとしている。大軍拡の財源確保のために、被災地支援、年金、医療から横取りすることは、断じて許されない。
 政府はこれまで、相次いで社会保障の削減政策を実行し、国民の暮らしのための予算を削減し続けてきた。年金削減、医療費窓口負担増、生活保護基準引き下げ、介護保険の「軽度者」給付外しなど、枚挙にいとまがない。国民は、上がらない賃金や低すぎる年金、社会保障削減政策の下で、増税、負担増さらには、物価高により生活は苦しくなるばかりである。国民の困窮は広がり続けて、この間、各地で行われている食糧支援や生活相談に訪れる人が増加している。
 いま、国民が求めるのは、賃上げ支援、年金引き上げ、医療、介護、障害者福祉、子育て支援などの拡充であり、誰もが安心して暮らすことができるように、社会保障の予算を拡充することである。
 衆院本会議における2023年度予算案の可決に抗議すると共に、大軍拡予算を撤回し、参院において国民のいのち、暮らし最優先の予算編成を強く求める。

以上

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