声明・見解

2023年4月26日

【声明2023.04.26】健康保険証を廃止してマイナンバーカードを強要する「マイナンバー法等改正案」の衆議院特別委員会の採決に強く抗議する

2023年4月26日
全日本民主医療機関連合会
会 長 増田 剛

 4月25日、「マイナンバー法等改正案」が衆院地域・こども・デジタル特別委員会で、自民党、公明党、維新の会、国民民主党の賛成多数で可決されました。立憲民主党、日本共産党は反対しました。
 健康保険証の廃止を含む同改正案には、国民や医療関係者などから強い不安や反対の声が上がっています。国民の声を無視した強行採決に断固抗議します。

 そもそも、マイナンバーカードの取得は義務ではありません。しかし、同改正案は、健康保険証を2024年秋に廃止して、マイナンバーカードに置き換え、マイナカードを持たなければ医療機関の受診に著しい不便が生じかねないと脅して取得を強要するものです。
 健康保険に加入する被保険者に資格を証明する保険証を届けることは、保険者の義務であり、法案上も保険者は被保険者証発行が義務付けられています。しかし、健康保険証廃止後は、申請制に変わります。これは国民皆保険制度の根幹を崩す大問題です。マイナカードの有効期限は5年とされ、5年ごとに更新手続きが必要です。マイナカードを持たない人(紛失、更新中の人、介護が必要な高齢者や子ども等)には、保険証の廃止後、保険加入の「資格確認書」を発行するとしていますが、申請が必要で有効期限も発行から1年間とされ、更新手続きも必要です。
 保険料を払っていても申請手続きをしなければ、保険診療を受けられなくなります。さまざまな事情で、申請ができない人がでることは避けられず、政策的に「無保険」の状態を生み出すことになります。政府からは、申請主義への転換によって、取り残される人への対策も示されていません。
 保険証の廃止は、国民に不利益をもたらし、国の受療権を保障する義務を投げ捨て、国民皆保険制度を内側から壊すものであり、断じて認めることはできません。

 マイナカードの普及が長年進まなかったのは、プライバシー侵害や情報漏洩等について、強い不安が国民のなかにあるからです。それを国民の命と健康にかかわる必要不可欠な健康保険証と一体化させることで取得を強要するなど、愚策であり断じて許されません。
 このまま、健康保険証廃止を強行すれば、国民や医療関係者等が大混乱に陥りかねません。国民の声を無視した健康保険証廃止は直ちに中止、撤回し、健康保険証の存続するよう強く求め、「マイナンバー法等改正案」は、参議院で徹底審議の上、廃案とすることを求めます。

以上

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