声明・見解

2023年12月25日

【声明2023.12.22】医療提供体制の崩壊を招く2024年度診療報酬改定率に強く抗議し、すべての医療従事者の処遇改善を実現する大幅な再改定を求める

2023年12月22日
全日本民主医療機関連合会
会長 増田 剛

 12月22日、政府は2024年度予算案を閣議決定し、2024年度診療報酬改定の「本体」改定率を0.88%引き上げる一方、「薬価」は1%引き下げ、全体で▲0.12%のマイナス改定とすることとした。診療報酬改定は5回連続のマイナス改定であり、マイナス改定に強く抗議し再改定を求める。
 診療報酬は1996年以後、本体のみで見ても、2022年度改定までの26年間の伸び率は年平均僅か0.27%である。診療報酬改定率は、医療従事者の処遇改善どころか、この間の物価高騰、人件費の上昇分にはまったく届いていない。
 今日、コロナ関連の補助金や特例加算が大幅に縮小、廃止され、医療機関の置かれている状況は、事業の継続に必要な医療従事者の確保、働く職員の処遇改善どころか設備投資すら困難な状況が生じている。

 本体0.88%の改定率の内訳は、40歳未満の勤務医、勤務歯科医、薬局薬剤師、事務職員、歯科技工所従事者などの賃上げのために0.28%、看護師や賃金が介護職員の平均よりも下回っている看護補助者、病院薬剤師などに対して、特別措置を実現するために0.61%を充てるとしたものであり、医療機関、医療従事者の間で納得を得られるものではない。
 そもそも診療報酬は、国民の財産である安全・安心の医療提供体制を確保する基盤となるべきものである。医療従事者の処遇改善は対象を限定するべきではなく、すべての医療従事者を対象とすることが必要である。
 コロナ禍の教訓を踏まえ、新型コロナウイルス感染症や今後の新興感染症対への対応に備えた、医療従事者の体制を安定的に確保するために、医療機関の事業・経営に平時から余力が必要なことは明らかである。

 全日本民医連はいのちと健康を守る立場から、すべての医療従者の処遇改善が実現できる大幅な再改定を求める。

以 上

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