民医連事業所のある風景 和歌山生協病院サテライトありもと 地域とともに笑顔広がる施設へ
私たち和歌山生協病院サテライトありもとでは、「地域に根ざし、誰もが安心して暮らせる社会の実現」をめざし、医療・介護・福祉が一体となった支援体制を展開しています。2025年には複数の施設移転および新設を行い、サービスの質と連携体制のさらなる強化を図りました。
まず29床のサテライト型小規模介護老人保健施設松寿苑が、1月27日に新たな場所へと移転しました。より快適で機能的な環境での介護・リハビリが可能となり、在宅復帰をめざす利用者への支援体制が一層充実しました。日ごろ車椅子で過ごされている利用者が平行棒で訓練をされ「まだ歩けるんだ」との思いから笑顔が増え、職員も楽しそうに仕事に励んでいます。
あわせて病院に併設されていた通所リハビリテーション(デイケア、定員38人)も、2月から新施設・松寿苑通所リハビリテーションでの運営を開始。広く明るい空間に加え、利用者一人ひとりの目標に応じたリハビリと交流の場を提供し、地域の高齢者の生活機能維持に貢献しています。
新たに開設されたサービス付き高齢者向け住宅ありもと(46戸)は、医療・介護と連携しながら、見守りとプライバシーが両立した「安心して暮らせる住まい」を提供しています。特筆すべきは、ペットとともに入居できること。長年連れ添った動物たちと暮らせる環境は、入居者にとって心の安定や生きがいにもつながっています。
サテライトありもとには、栄養室もできました。以前の松寿苑は委託給食でしたが、直営での食事提供に変更し、サ高住ありもと入居者と合わせて食を通じて生活支援を行っています。一から計画し準備をするのに苦労しましたが、始まってみるともっと大変でした。そのなかでも調理システムを工夫し少ない人数で日々調理しています。以前は温冷配膳車がありませんでしたが、今は温かいもの、冷たいものを提供できるようになりました。形態も、嚥下状態に合わせて提供し、安心でおいしい食事をめざしています。
児童福祉分野においてもとりくみを強化し、放課後等デイサービスレインボーも新施設へと移転しました。放課後等デイサービスでは、支援を必要とする障がいのある就学児童に対して、学校や家庭とは異なる時間、空間、人、体験などを通じて、個々の子どもの状況に応じた発達支援を行うことにより、子どもの最善の利益の保障と健全な育成を図ります。さまざまなレクリエーションや公園などの外部の施設で活動を行い、学校休業日には動物園などの大型施設にお出かけすることもあります。子どもたちが社会に出て幸せに暮らしていくことを目標に支援を行っています。
このようにサテライトありもとでは五つの領域を総合した支援を行っています。地域のなかで誰もが尊厳をもって暮らし続けられる社会の実現に向け、職員一人ひとりが力を発揮できる環境づくりとサービスの質の向上に努めてまいります。
最後に5月3日に和歌山で初めて、憲法9条の碑が建立されました。太平洋戦争中、和歌山も空襲の被害を受け、多くの尊い命が失われました。その歴史を見つめ直し、再び同じ過ちを繰り返さないという強い決意が、この碑には込められています。
(松寿苑 事務長 森 和也)
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