副作用モニター情報〈645〉 OTC類似薬の副作用(上)
現在、保険給付からの除外を政府が検討していることで注目されているOTC類似薬ですが、決して副作用の少ない安全な薬ばかりではないということを念頭に置かなければなりません。
ガスター10がスイッチOTC(医療用と同じ成分を同じ量配合された薬)として発売されたのが1997年、今から28年前です。その後多くの薬が医療用から市販薬にスイッチされ、発売されてきました。ロキソニンSは「劇薬」を解除して発売しています。最近ではPPI(パリエット(R)など)がターゲットです。
OTC類似薬を保険給付から外す、または選定療養費へ移行するということは、患者負担も大きくなるだけでなく、副作用も患者自身が責任を持つことになります。
今回は、これらスイッチOTC薬と同じ医療用医薬品の当モニターに上がってきた副作用を報告します。(2020年4月~2025年3月)

〈重篤例〉
*ロキソプロフェン:発疹、消化管出血、急性腎不全、アナフィラキシー
*アセトアミノフェン:発疹、肝障害、消化管出血、呼吸困難
*芍薬甘草湯:血圧上昇、低カリウム血症、間質性肺炎
*酸化マグネシウム:高マグネシウム血症、不整脈、意識障害
*抑肝散:低K血症、心不全急性増悪
*メジコン:アナフィラキシー
重篤にならずに済んだ症例も、医療機関が副作用と気付いて中止しているからです。発見に1日でも遅れていたら危険だったケースもあります。
引き続き、次回は重篤な副作用の症例を報告します。
(全日本民医連医薬品評価作業委員会)
(民医連新聞 第1837号 2025年9月15日号)
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