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民医連新聞

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第17回学運交ポスターセッション 当事者とともに人権・平和をまもるために 全国から552演題

 第17回学運交の演題発表は、すべてポスターセッションで実施。「憲法9条・反核平和」「人権としての社会保障」「社会的困難事例、差別、貧困問題へのアプローチ~ジェンダー平等・ケアの視点、社会的処方~」など18テーマで、552演題の発表がありました。一部を紹介します。

■もう一度自分の店を

 「無差別・平等の地域包括ケア」では、東京・ケアサポートセンター千住の馬場是さん(介護支援専門員)が「職(食)の記憶と心のケア」について報告。
 居酒屋を経営していた店主が脳出血で、左半身完全麻痺、感覚障害、高次脳機能障害が後遺症に。民医連の支援を受けて在宅生活を継続中、千住介護福祉専門学校と出会い、調理実習の講師として調理指導を行いました。学生に調理を教えるために、リハビリ意欲が高まり、デイケアを開始。「もう一度自分の店をもちたい」との希望で、健康まつりに出店。試作会から当日まで職員がかかわり、大成功に終わりました。本人のできることを引き出すリハビリの重要性を報告しました。

■外国人の仲間と

 神奈川・汐田総合病院の酒井優貴さん(看護師)は「外国人人材の活用にかかるベトナム介護技能実習生の受け入れ」について発表しました。同院は2024年7月からベトナム技能実習生の受け入れを開始。2025年8月時点で、8人が実習しています。また、来年は4人の受け入れを予定。生活支援や職員交流を積極的に行い、安心して就労できる環境提供のため、技能実習生担当の職員も配置しています。
 酒井さんは「外国人労働者へのヘイトが集まる今、人員不足の社会的背景もひろく知られてほしい」とのべました。

■平和を求めスタンディング

 宮城・長町病院の平尾伸二さん(事務)は、ロシアのウクライナ侵略と、イスラエルのパレスチナ・ガザ地区での虐殺の中止を求めるスタンディング行動を報告。2022年3月3日に緊急抗議集会。同月6日から「ウクライナに平和を! ながまちスタンディング」と名付け、続けています。2025年2月末で146回に。飛び入り参加もあり、友の会入会や、ボランティアへの参加にもつながっていることを紹介しました。

■水道水がPFAS汚染の疑い

 東京・昭島相互診療所の伊藤慎さん(事務)は、PFAS外来のとりくみを報告。米軍・横田基地の消火剤による地下水の汚染で地下水100%の昭島市の水道水が汚染されていると思われること、カンパを募り、血液検査をひろげてきたことなどを話しました。

■妊婦とともに環境を整える

 「社会的困難事例、差別、貧困問題へのアプローチ~ジェンダー平等・ケアの視点、社会的処方~」では、福岡・千代診療所の甲斐恵里子さん(看護師)がSDH(健康の社会的決定要因)の視点から、特定妊婦の事例を報告。甲斐さんは出産の意志を示す未成年の妊婦の、母親・パートナーと出産に向けて面談。妊婦とは少しのことでも電話連絡は可能とし、関係を構築。出産費用や住居、育児支援をともに考え、環境を整えました。生活保護を受給、助産制度を利用し、出産できました。

参加者の声

●初参加です。参加規模が大きく、驚きました。ポスターセッションで青年職員の反核平和自転車リレーのとりくみを発表しましたが、全国にはすばらしい活動がたくさん。自分の職場でも学んだことを生かしていきたいです。
(北海道・鍋田聖華さん、事務)
●後継者育成のとりくみについて全国の教訓を参考に現場でも生かしていきたいです。
(青森・西沢光さん、薬剤師)
●東日本大震災時はまだ小学生。安田菜津紀さんの記念講演の、津波で行方不明になった家族を探すシーンが印象に残りました。
(宮城・熊本亜美さん、看護師)
●セッション1に参加し、韓国の報告を聞き、現在の日本が戦争前夜に近づいていると思いました。
(東京・高橋真由さん、事務)
●知らないことが多く、驚きました。とりくみにも役立てたいです。
(東京・村上真央さん、介護福祉士)
●他県のとりくみを知って勉強になりました。全国青年JBなどに活動の魅力を感じました。
(奈良・東華蓮さん、看護師)

(民医連新聞 第1840号 2025年11月3日号)

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