副作用モニター情報〈656〉 ラスビック点滴静注による血小板減少
ラスビックは2019年に薬価収載された、比較的新しいキノロン系抗菌薬です。嫌気性菌にも効果をしめすなど抗菌スペクトルがひろいこと、他のキノロン系抗菌薬の耐性化がすすんできていること、注射薬の他に内服薬も販売されていることなどで使用が増えている状況です。適応症は肺炎などの呼吸器感染症と、副鼻腔炎や咽・喉頭炎などの耳鼻咽喉科領域感染症のみです。胆汁排泄型の医薬品であり、肝機能障害や相互作用には注意が必要です。
今回、血小板減少が報告されていますので紹介します。
症例)60代女性
開始日:発熱・咳嗽あり肺炎として紹介され入院。レジオネラ症を考慮しラスビック点滴静注150mg/Day開始。
開始8日目:血小板のパニック値報告あり(Plt:2.7万)。薬剤性の血小板減少を疑いラスビック中止しジスロマックへ変更。出血などなし。他の血球の減少はなかった。
中止4日目:血小板4.1万。肺炎症状は軽快。
感染症に続発した播種性血管内凝固の可能性も考慮したが、抗菌薬変更後は病勢が抑制されていることからラスビックによる血小板減少として経過観察。
中止7日目:血小板4.4万とわずかに軽快し退院。
現在のところ血小板減少はラスビックの添付文書には記載されていませんが、報告されていない副作用についても可能性を疑った使用が必要です。
(全日本民医連医薬品評価作業委員会)
(民医連新聞 第1851号 2026年5月4日号)
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