• メールロゴ
  • Xロゴ
  • フェイスブックロゴ
  • YouTube
  • TikTok

民医連医療

民医連医療

民医連事業所のある風景(番外編) 第11回NPT(核兵器不拡散条約)再検討会議 NPT再検討会議に参加して ~被爆の実相がつなぐ国際連帯~

 第11回NPT再検討会議が2026年4月27日~5月22日までニューヨークの国連本部で開催され、日本からは80代の被爆者をはじめ、平和活動にとりくむ複数の団体が参加し、総勢100人近い規模となりました。会議では、核軍縮が思うようにすすまない国際社会の現実を痛感する一方、会議場の外では被爆の実相を世界へ伝える多様な活動が展開され、硬直した本会議とは対照的に、未来へ向けた前向きな流れを強く感じました。

 今回の参加にあたり、私は二つの目標を掲げていました。一つはNPTの役割や意義を理解し、各国の発言から世界の動きを学ぶこと。もう一つは、できるだけ多くの人と平和について語り合うことです。会議場の外では国際交流のサイドイベントが数多く開かれ、私はデイサービスの利用者が折ってくれた折り鶴を手に、街中で平和や核兵器廃絶について話しかけました。英語は話せませんが、スマホの翻訳機能や身振り手振りを使いながら200人を超える方々と交流できました。立ち止まってくれた人々は皆「I hope too」と笑顔で応えてくれ、平和への思いが国境を越えて共有されていることに胸が熱くなりました。
 会議期間中には国連本部で「被爆展」が開かれ、来場者が写真や説明文を熱心に見つめる姿が印象的でした。また、被爆者の証言は国連本部だけでなく、学校や市民団体の会場などニューヨーク市内のさまざまな場所で行われました。原爆で家族や友人を失い、生き残っても差別や貧困、被爆による死への恐怖に苦しんできた体験は、聞く人の心を深く揺さぶり、核兵器の非人道性を「現実」として突きつける力を持っていました。

 今回の会議では、多数の非核保有国が核軍縮の具体的進展を求めた一方、核保有国は安全保障環境の悪化を理由に核抑止の必要性を強調し、立場の隔たりが埋まりませんでした。さらに、原子力の平和利用をめぐる透明性の問題、核保有国の核兵器近代化計画への批判、地域紛争に関する文言の扱いなどでも意見が対立し、結果として、全会一致を原則とするNPTのしくみのなかでは合意形成に至りませんでした。
 しかし、こうした停滞のなかでも、被爆の実相を伝える活動と市民社会の連帯の広がりは大きな希望となりました。アメリカのNGOや平和活動の団体では若者の参加が増え、SNSでの発信や平和アクションが活発化していると聞き、国境を越えた市民社会のつながりの重要性を強く実感しました。
 世界情勢が不安定化し、日本でも軍拡が懸念されるなか、人権と平和を掲げる日本国憲法を学び直し、守り生かす行動が求められていると感じています。多くの出会いを通じて、核兵器廃絶(ノーモア・ヒバクシャ)への思いと行動することの大切さを学びました。このつながりを大切にしながら、被爆者の願いを未来へつなぎ、核兵器のない世界をめざして行動していきたいと思います。
(全日本民医連副会長 門脇めぐみ)