くすりの話
2009年6月1日
くすりの話 114 「湿布薬」の上手な選び方は?
Q:湿布薬の種類はどんなものがありますか?
A:湿布薬には大きく分けて、患部を冷やす冷感湿布と、逆に温める温感湿布があります。
冷感湿布は、冷却作用をもつ成分が含まれているので、熱をもった炎症や腫れに効くといわれています。打ち身やねんざなどに効果的です。
温感湿布は、血行をよくする成分が含まれているので、肩こりや腰痛などに効果的です。
まれにかぶれることがありますが、ぬるま湯などでやさしく皮膚を洗い、よく乾かしてから張るとよいでしょう。お風呂上りは身体のほてりが鎮まってから張るようにしましょう。
Q:よく聞く「インドメタシン」って何ですか?
A:インドメタシンとは、非ステロイド性抗炎症薬という薬の一つです。体の中で痛みや炎症のもとになる物質がつくられるのを妨げます。痛み止めとして飲み薬(錠剤など)に含まれていますが、張り薬(湿布、テープ剤など)や塗り薬(軟膏、クリームなど)にも含まれています。
インドメタシンなどの非ステロイド性抗炎症薬が配合された湿布薬は、痛み止めの成分を皮膚から吸収させて、腫れや痛みを和らげます。
非ステロイド性抗炎症薬は、飲み薬として使用すると胃や腸などに副作用をおこすことがありますが、湿布や塗り薬などの形で使えば、副作用を少なくできま す。しかし、喘息の方が使うと発作を起こす可能性があります。使用する際は医師または薬剤師に相談してください。
Q:張り薬以外の、痛み止めの外用薬は?
A:痛み止め効果のある外用薬には、張り薬以外にクリームや軟膏、ゲルなどの塗り薬、ローションなどの液体の薬があります。
クリームや軟膏剤は、べたつきが少なく、のびがよいのが特徴です。皮膚にすりこんで使うのでマッサージ効果も期待できます。またゲル剤やローション剤などに比べ、皮膚への刺激が少ないのも利点です。
ゲル剤は、薬剤の表面に膜をつくって患部にフタをするので、効果が長持ちします。あまり長くすりこむと膜がはがれてしまうので、軽めに塗るように使いましょう。
ローション剤は、患部が広範囲でも塗りやすく、使用感がさっぱりしているのが特徴です。
これらの薬は、(1)患部が膝や肘などよく動かす部分にある、(2)患部が広範囲である、(3)患部の近くに傷があるため傷を避けて使いたいなど、張り 薬を使いにくい場合に使うとよいでしょう。また、それぞれ違った特徴があるため、例えば皮膚の弱い方はクリーム剤を、長く効かせたいときはゲル剤を、とい うように使い分けるのもよいでしょう。
いつでも元気 2009.6 No.212
この記事を見た人はこんな記事も見ています。