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2012年5月29日

【声明2012.05.29】薬害イレッサ西日本訴訟 大阪高裁の不当判決に抗議する

2012年5月29日
全日本民主医療機関連合会
会 長   藤末  衛

 5月25日大阪高等裁判所は、薬害イレッサ西日本訴訟の控訴審にて、東京高裁の判決に続いて、国とアストラゼネカ社の責任を否定する極めて不当な判決を出した。

 判決内容では、承認前に19例の間質性肺炎の副作用報告があり、11例の因果関係を否定で きない死亡報告があった事を認めている。 しかし、副作用報告の因果関係には強弱があり、それを一律同等に危険性評価はできないとし、被告である国の安全 性確保義務責任、アストラゼネカ社の製造物責任は問われないと断定したのである。

 これは、東京高裁の判決と同様に、これまでの医薬品を安全かつ有効に使用する医療現場の取り組みや薬事行政を否定し、過去の薬害、公害の歴史から導きだされた予防原則をも否定する内容である。

 今回の判決は、800名以上の貴い命を奪ったイレッサ副作用被害の国と製薬企業の責任を免罪すると同時に、医師、薬剤師をはじめ医療現場、そして被害にあった患者とその家族に、その責任を矮小化、転嫁するもので断じて許しがたい。

 全日本民医連は改めてがん患者の人権軽視にもつながる今回の判決に対し、満身の怒りを込めて抗議するものである。

 引き続き、薬害被害者に寄り添い、薬害イレッサ事件が全面解決されるまで奮闘する決意である。

(PDF版)

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