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民医連医療

民医連医療

民医連事業所のある風景 北海道・黒松内町国保くろまつないブナの森診療所 「日本で最も健康な町をめざす」町で 指定管理開始から10年

 黒松内町は北海道・渡島半島の付け根に位置する人口約2350人のまちです。札幌市と函館市の中間に位置し、どちらも車で2時間半程度の距離にあります。主要産業は酪農や農業で、町内にはチーズ工房があり、特産品のチーズやウインナー、それを使った道の駅の焼きたてピザが名物です。また、国の天然記念物に指定されているブナ林を有する“ブナ北限の里”でもあり、「日本で最も美しい村」連合にも加盟しています。
 そんな自然豊かな黒松内町にある黒松内町国保くろまつないブナの森診療所は、国保診療所を北海道勤医協が指定管理者として運営している、民医連内でも珍しい診療所です。黒松内町は、介護・福祉施設が豊富で、就労人口の約4割が医療福祉関係者という、日本で最も健康な町をめざす“福祉のまち”の顔を持っています。
 もともと黒松内町には、黒松内町国保病院と、勤医協黒松内診療所の二つの医療機関がありました。双方で医師・職員不足や、建物の老朽化、財政赤字などがあり、町が民間委託・指定管理者制度の導入を検討。数年間議論を重ね、国保病院を19床の有床診療所に転換し、2016年4月に新しく「黒松内町国保くろまつないブナの森診療所」として再出発しました。
 新しい診療所の条例には、「先人が育ててきたまちの医療を受け継ぎ発展させるため、指定管理者制度を取り入れ、保健・医療・介護、施設・在宅が一体的に提供される、真に町民のための『地域包括ケア』をめざす。この取り組みは、地域医療を志す医療集団の先進地となり、日本各地で起きている“へき地医療の行き詰まり”を打ち破るモデルにもなると確信する。町民と協力協同し町と北海道勤医協は、最適な関係を築き上げ、『日本で最も健康な町』をめざすため、の条例を制定する。」と定められています。
 さらに、19年11月には現在の場所に新築移転しました。家庭医医療の教育診療所としての役割も担っている当院には、毎年医師だけでなく多職種が研修に来ます。診療所に来た研修者から「(名前からどんな山のなかの古い診療所かと思ったら)きれいで新しく、若い職員が多くて驚きました」と言われることがたびたびあります。
 職員体制は、医師3人をはじめとして約40人の職員がチームとして働いています。町内唯一の医療機関として、24時間365日救急車を受け入れています。年間80件程度の救急搬送があり、診療所ながら多岐にわたる疾患の患者さんが来ます。ときには交通事故などで重傷者の対応もあります。
 また、毎日午後から訪問診療を行っています。特別養護老人ホームなどの高齢者施設だけでなく、養護施設やリハビリセンターなどの障がい者施設にも訪問診療に行くことが特徴です。
 当院は法人内唯一の有床診療所であり、経営対策の第一課題として入院数の底上げを目標とし、25年5月以降、入院数は急増しています。入院経路の多くが施設からのため、月に1回打ち合わせの場を設けるなど、町内施設との連携にも力を入れています。
 25年に指定管理の契約期間満期となる10年目を迎えました。26年4月からも継続更新する予定です。地域に住み、地域の要求を知り、患者さんの生活背景や患者さんから学ぶ地域医療の日々を、診療所チームみんなでがんばっています。
黒松内町国保くろまつないブナの森診療所 事務長 齋藤 久美子)