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理事会(2025年12月)増田会長あいさつ

【増田会長あいさつ】

 11月7日の衆院予算委員会での「台湾有事は日本の存立危機事態になり得る」発言で、日中関係は一気に冷え込み、日本の経済や安全保障に重大な影響を与えています。日米が中華人民共和国を「唯一の合法政府」として承認している状況下で、台湾海峡での中国の軍事行動を想定した際に、集団的自衛権を発動し敵基地攻撃も含めて戦闘に参加することを宣言したようなもので、中国側の反応の仕方には外交上の儀礼に反する内容があるものの、国として憤りを表明することは「さもありなん」という感じです。
 後日、内閣官房が開示したところによると、事前に作成した応答要領では「台湾有事という仮定の質問にお答えすることは差し控える」としていたようですので、首相個人の判断で従来の政府答弁を変更したことになります。
 中国と事を構えることは非現実的で、かつ、日本を破滅に導く暴論であるということを丁寧に伝えていくことが必要だと思います。どんな場合もアメリカの要求に沿うことが国益という思考停止状況から脱しなければ、平和への展望は開けません。戦争は絶対に起こさないこと、そのための非軍事的安全保障の在り方を徹底的に追及する立場で、世論を喚起していくことが求められます。

 今年は稀代の悪法、治安維持法制定100年に当たりますが、まるで、亡霊が蘇るかのように「スパイ防止法」策定への懸念が拡がっています。自民党と日本維新の会の連立政権合意の中には、インテリジェンス・スパイ防止関連法制の検討を開始し「速やかに法案を策定し成立させる」と記載されました。加えて、国民民主党と参政党からもスパイ防止や、インテリジェンス強化を盛り込んだ法案が提出されました。
 1985年、中曽根内閣が「国家秘密法」、つまりはスパイ防止法を提案した際には、何が「国家秘密」や「情報漏洩」にあたるのかを政府が恣意(しい)的に判断できることや、最高刑が死刑といった設計に対して、国民の間で強い反発が起こり廃案となりました。しかしながら、2013年、第2次安倍内閣で特定秘密保護法が強行され、2024年には重要経済安保情報保護活用法によるセキュリティー・クリアランス制度が策定されました。こうした法律で「スパイ行為の防止は可能」との見方が捜査関係者からも示されていますが、にもかかわらず今回の法案を提出する意図が問題です。
 自民維新合意には、現在の内閣情報調査室(内調)の「内閣情報局」への格上げや、「対外情報庁」の設置などが盛り込まれ、「日本版CIA」の創設と分析する報道も見られます。参政党の神谷代表が言うように、「極端な思想の人たち・・・を洗いだすのがスパイ防止法」だとすれば、排外主義や外国の脅威を利用した、戦争する国づくりへの大きなピースとなりかねません。危険性を広く知らせ、断固阻止する取り組みが必要です。

 臨時国会が終わりました。補正予算の一般会計総額が18.3兆円、内6割にあたる11.6兆円を国債で賄うことになり、日銀は利上げ方針を継続するようですので、今後、国債の利払い費はさらに重くなることが予想されます。維新が連立の代償として強く要求した議員定数削減案は、多くの異論の中で審議入りできず先送りされました。
 今後、年明けの通常国会、2026年度予算審議、診療報酬改定へと、国会議論から目が離せない季節を迎えます。

 人々のいのち、健康に深く関わる医療・介護・福祉に従事する者として、意思表示と行動を起こし、戦争する国づくりと、「医療追い出し、介護とりあげ」の社会保障削減が一体となった政治の中で、引き続き、運動を強化し前進しましょう。